2026年度の登録販売者試験は、8月下旬の北海道・東北ブロックから始まり、残すは12月20日の九州・沖縄ブロックのみとなりました。今年は見送ったけれど、来年こそはドラッグストアで通用する資格を取りたい。そう考えている方にとって、実は10月はスタートに最適な時期です。
2025年度の全国合格率は40.7%。受験者58,996人のうち合格者は24,004人で、前年度の46.7%から6ポイント下がりました。しかも都道府県別に見ると、北海道54.8%に対して沖縄県は23.2%と2倍以上の差があります。独学で受かる人と落ちる人の差は、才能よりも「試験の仕組みを知っているかどうか」で生まれることが少なくありません。
この記事でわかること
- 登録販売者試験の構成(120問・240分・7割基準+足切り)と合格率の推移
- 独学に必要な勉強時間と、2027年夏の試験に向けた10か月ロードマップ
- 独学向けテキストと、通信講座を選ぶべき人の条件
- 合格後の実務経験要件と、資格手当・年収への影響
登録販売者試験の仕組みと合格率2027年版
登録販売者は、一般用医薬品のうち第2類・第3類医薬品を販売できる専門資格です。2015年度から受験資格の学歴・実務経験要件が撤廃され、年齢や経歴に関係なく誰でも受験できるようになりました。
出題範囲と問題数
| 章 | 内容 | 問題数 |
|---|---|---|
| 第1章 | 医薬品に共通する特性と基本的な知識 | 20問 |
| 第2章 | 人体の働きと医薬品 | 20問 |
| 第3章 | 主な医薬品とその作用 | 40問 |
| 第4章 | 薬事関係法規・制度 | 20問 |
| 第5章 | 医薬品の適正使用・安全対策 | 20問 |
| 合計 | 午前・午後の2部制 | 120問(240分) |
合格基準は、総出題数の7割以上(84問以上)の正解に加えて、各章ごとに35%または40%以上の正答率が求められます(足切りの基準は都道府県によって異なります)。総合点が高くても、1つの章で足切りにかかれば不合格になる点に注意が必要です。
合格率の推移と地域差
| 区分 | 合格率 |
|---|---|
| 2024年度 全国 | 46.7% |
| 2025年度 全国 | 40.7%(受験者58,996人/合格者24,004人) |
| 2025年度 最高(北海道) | 54.8% |
| 2025年度 最低(沖縄県) | 23.2% |
| 2025年度 九州・沖縄ブロック | 27.2% |
試験問題はブロックごとに作成されるため、年度や地域によって難易度にばらつきが出ます。ちなみに、受験地は居住地に関係なく選べるうえ、ブロックごとに試験日が異なるため、複数のブロックを併願する受験者も珍しくありません。
独学に必要な勉強時間と10か月ロードマップ

登録販売者の勉強時間は、一般に300〜400時間が目安とされています。医療・薬学の知識がない方なら400時間を見込んでおくと安心でしょう。2027年8〜9月の試験を目標に10月から始めれば、1日あたり約1.3時間のペースで届く計算です。
2027年夏の試験に向けたスケジュール例
| 時期 | 学習内容 | 目安時間 |
|---|---|---|
| 10〜11月 | 第1章・第4章(基礎知識と法規)で用語に慣れる | 約70時間 |
| 12〜1月 | 第2章(人体の働き)を図解中心に理解 | 約70時間 |
| 2〜4月 | 第3章(医薬品の成分と作用)を集中攻略 | 約120時間 |
| 5月 | 第5章(適正使用・安全対策)と全章の総復習 | 約40時間 |
| 6〜試験直前 | 過去問を複数ブロック分演習、弱点章の補強 | 約80時間 |
なお、願書の受付は試験日の約2〜3か月前に始まり、受付期間は2週間ほどと短めです。首都圏ブロックの2026年度試験は9月6日実施で、申込は5月中旬に始まりました。5月の連休明けには、受験予定の都道府県の公式サイトを確認しておきましょう。
独学で挫折しやすい「第3章の壁」
多くの独学者が手を止めてしまうのが、40問と最大の配点を占める第3章です。かぜ薬・解熱鎮痛薬・胃腸薬など20以上の薬効群について、成分名・作用・副作用・相互作用を覚える必要があります。
- 成分名は語尾で分類する:「〜フェン」「〜ミン」など語尾の共通点でグループ化すると記憶が定着しやすくなります
- 身近な市販薬のパッケージと結びつける:ドラッグストアの棚で成分表示を見ると、テキストの文字情報が具体的なイメージに変わります
- 第2章と往復する:人体の仕組み(第2章)を理解しておくと、なぜその成分が効くのかが腑に落ちます
実際に、第3章を後回しにした結果、直前期に暗記が間に合わず足切りにかかったという失敗談はよく聞かれます。最も時間がかかる章だからこそ、早めに着手するのが得策です。
独学向けテキストと通信講座の選び方

登録販売者の試験問題は、厚生労働省の「試験問題作成に関する手引き」から出題されます。テキストを選ぶ際は、最新の手引きに対応した版であることを必ず確認してください。古い版を使うと、改訂された内容で失点するおそれがあります。
この1冊で合格!村松早織の登録販売者 テキスト&問題集(KADOKAWA)
薬剤師の著者による解説で、イラストや語呂合わせが豊富なテキストです。テキストと問題集が1冊にまとまっているため、教材を何冊も持ち歩きたくない独学者に向いています。著者によるYouTubeの解説動画と組み合わせて使う受験者も多くいます。
U-CANの登録販売者 速習テキスト&重要過去問題集
出題頻度の高い論点を絞り込んだ構成で、重要過去問題を章ごとに収録した1冊です。全体像をつかんだあとの2冊目、あるいは短期間で仕上げたい方の1冊目として使いやすいでしょう。
ユーキャン 登録販売者講座
テキスト・添削・質問サービスがセットになった通信講座です。一般教育訓練給付制度の対象講座となっている場合があり、雇用保険の加入期間などの条件を満たせば、受講料の20%(上限10万円)がハローワークから支給されます。受講前に厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」で対象かどうかを確認しておきましょう。
スタディング 登録販売者講座
スマートフォンで動画講義と問題演習が完結するオンライン講座です。通勤時間や昼休みなどのスキマ時間を積み上げたい社会人に向いており、紙の通信講座より費用を抑えやすい傾向があります。
通信講座を選ぶべき人の条件
- 第3章のような暗記量の多い分野で、独学だと計画が崩れやすい方
- 質問できる相手がいないと理解が止まってしまう方
- 勤務先のドラッグストアなどから講座費用の補助が出る方
反対に、医療系の基礎知識がある方や、自分で学習計画を立てて進められる方なら、テキスト1冊と過去問で十分に合格圏を狙えるでしょう。
合格後のキャリアと年収への影響

登録販売者の主な就職・転職先は、ドラッグストア、調剤併設薬局、コンビニやスーパーの医薬品売り場などです。未経験からの求人も多く、資格手当は月5,000〜1万円程度が一般的とされています。月1万円の手当なら、年収ベースで12万円のアップです。
合格後すぐは「研修中」の扱いになる
見落とされがちなのが、試験合格と同時に一人で医薬品を販売できるわけではない点です。過去5年以内に一定の実務経験(従事期間の要件は2023年の制度見直しで一部緩和されています)を満たすまでは「研修中の登録販売者」として、薬剤師や管理者の管理・指導のもとで販売することになります。詳しい要件は、販売従事登録を行う都道府県の薬務担当窓口で確認してください。
キャリアアップの道筋
実務経験を積んで店舗管理者の要件を満たすと、店長やエリアマネージャーなどの役職に進む道が開けます。接客で身につく「症状を聞き取って適切な市販薬を提案するスキル」は、高齢化が進むなかでセルフメディケーションの担い手として評価が高まっている分野です。
登録販売者の独学に関するよくある質問
Q1. 登録販売者は独学で合格できますか?
独学で合格している方は多くいます。最新の手引きに対応したテキストを1冊選び、複数ブロック分の過去問を繰り返し解くことが合格への近道です。
Q2. 勉強時間はどれくらい必要ですか?
一般に300〜400時間が目安とされています。1日1〜1.5時間の学習なら、8〜10か月ほどの期間を見込んでおくと余裕を持って準備できます。
Q3. どの章から勉強を始めるべきですか?
用語に慣れるため、第1章と第4章から始める方法がおすすめです。最も配点の大きい第3章には、遅くとも試験の半年前までに着手しておきましょう。
Q4. 他の都道府県で受験してもよいですか?
受験地は居住地に関係なく選べます。合格した資格は全国で有効なので、試験日が異なる複数のブロックを併願して受験機会を増やす方もいます。
Q5. 受験料はいくらですか?
都道府県によって異なり、2026年度は大阪府(関西広域連合)が12,800円、東京都が13,600円でした。併願する場合はブロックごとに受験料がかかります。
Q6. 古いテキストを使っても大丈夫ですか?
おすすめできません。試験問題の作成基準となる手引きは改訂されることがあるため、受験年度に対応した最新版のテキストを使うのが安全です。
2027年の合格に向けて今月から一歩を踏み出そう
登録販売者試験は、120問を7割正解すれば合格できる一方、章ごとの足切りと第3章の暗記量が独学者の大きな壁になります。10月から始めれば、1日1時間あまりの積み重ねで2027年夏の試験に間に合う計算です。
まずは最新の手引きに対応したテキストを1冊決め、第1章を読み始めるところからスタートしましょう。受験予定の都道府県と、併願できそうなブロックの試験日もあわせて確認しておくと、学習の締め切りが明確になります。
