簿記3級は100点満点中70点以上で合格――ここまでは多くの人が知っています。ところが「どの大問で何点取れば70点に届くのか」を具体的に決めて本番に臨む受験者は、意外と多くありません。第173回統一試験(2026年6月14日)の合格率は33.8%で、実受験者14,359名のうち合格したのは4,854名でした。残りの約9,500名の多くは、知識不足よりも「配点の重い問題に時間を残せなかった」ことで数点届かなかったと考えられます。
しかも2027年4月からは、第2問と第3問の配点が変わることが商工会議所から発表されました。2026年度内に受けるか、2027年度に持ち越すかで対策の比重も少し変わります。
この記事でわかること
- 簿記3級の大問別の配点・問題数・出題内容(2026年度の現行ルール)
- 2027年4月以降の配点変更の中身と、受験時期の決め方
- 70点を確実に超えるための目標点数と60分の時間配分
- 過去問題集やpdfの答案用紙を合法的に手に入れる方法
- ネット試験・統一試験の合格率データと得点戦略の関係
簿記3級の配点は第1問45点・第2問20点・第3問35点
2026年度(2027年3月31日まで)の簿記3級は、大問3つで構成されています。試験時間は60分、合格基準は100点満点中70点以上で、ネット試験と統一試験のどちらも配点は同じです。
| 大問 | 出題内容 | 問題数 | 配点 | 目標点 |
|---|---|---|---|---|
| 第1問 | 仕訳問題 | 15問(1問3点) | 45点 | 36〜39点 |
| 第2問 | 勘定記入・補助簿選択・語句記入など | 小問2問(各10点) | 20点 | 12〜16点 |
| 第3問 | 決算(財務諸表・精算表・決算整理後残高試算表のいずれか) | 1問 | 35点 | 24〜28点 |
| 合計 | ― | ― | 100点 | 72〜83点 |
第1問:仕訳15問で45点
取引の文章を読み、借方・貸方の勘定科目と金額を答える問題が15問出ます。1問3点で部分点はなく、借方・貸方の組み合わせが1つでも違えば0点です。逆に言えば、仕訳の型を覚えるほど確実に点が積み上がる大問でもあります。15問中12問(36点)を目標にすると、第2問・第3問の負担がぐっと軽くなるでしょう。
第2問:小問2つで20点
補助簿の選択、T字勘定への記入、伝票、空欄補充の語句記入などから、小問が2つ出題されます。出題パターンが回ごとに変わりやすく、受験者が最も点を落としやすい大問です。ただし多くの問題で部分点があり、1問を完答できなくても半分取れれば合格ラインは十分に狙えます。
第3問:決算問題1つで35点
決算整理事項をもとに、貸借対照表・損益計算書、精算表、決算整理後残高試算表のいずれかを作成します。1問で35点と最も配点が重く、解答欄が20〜30か所に分かれているため、ここも部分点の積み上げで戦う問題です。減価償却・貸倒引当金・前払費用などの決算整理仕訳が正しく切れるかどうかで、得点が10点以上変わります。
2027年4月からの配点変更と受験時期の考え方

商工会議所の発表によると、2027年4月1日以降に施行される簿記3級は、配点が次のように変わります。1級・2級・初級・原価計算初級の配点や出題形式に変更はありません。
| 大問 | 2027年3月31日まで | 2027年4月1日以降 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 第1問 | 45点 | 45点 | ±0 |
| 第2問 | 20点 | 25点 | +5点 |
| 第3問 | 35点 | 30点 | −5点 |
合格基準の70点は変わりません。受験者が苦手にしやすい第2問の比重が上がるため、2027年度以降は補助簿や勘定記入の対策により時間をかける必要が出てきます。
今から勉強を始める人の場合、2026年度内の選択肢は11月15日(日)と2027年2月28日(日)の統一試験、そしてほぼ通年受けられるネット試験です。2027年3月31日までに受験すれば現行の配点が適用されるので、手元のテキストが2026年度版なら、年度内の合格を目標にスケジュールを組むのが素直な選択でしょう。
70点を超えるための60分の時間配分

配点を把握したら、次は時間の使い方です。簿記3級の60分は、解き慣れていないと第3問の途中で終わってしまうくらいタイトに感じます。おすすめの順番と時間配分は次のとおりです。
| 順番 | 大問 | 時間の目安 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | 第1問(仕訳) | 15〜20分 | 1問1分強で解き、迷った問題は印を付けて先へ |
| 2 | 第3問(決算) | 25〜30分 | 決算整理仕訳を先に下書きしてから解答欄へ |
| 3 | 第2問(勘定記入など) | 10〜15分 | 解ける小問から手を付け、部分点を拾う |
| 4 | 見直し | 5分 | 第1問の印を付けた問題を再検討 |
第2問を最後に回す理由は、出題パターンが読めず考え込みやすいからです。配点の重い第3問を先に仕上げておけば、第2問で手が止まっても合格ラインを守りやすくなります。実際に予想問題集でこの順番を試すと、見直しの5分を確保できる回が目に見えて増えるはずです。
ネット試験で配点を意識した解き方のコツ
ネット試験では第1問の勘定科目をプルダウンから選ぶ形式です。選択肢に正解の科目名が必ず含まれているため、紙の試験より第1問は得点しやすい傾向があります。ネット試験の合格率が2025年度で40.8%、2026年4〜6月で44.5%と、統一試験の33〜34%より高めに出ているのは、こうした形式の違いも影響していると言われています。
簿記3級の過去問題集とpdfの答案用紙を上手に使う方法

配点どおりの得点感覚を身につけるには、本試験と同じ形式の問題を60分で解く練習が欠かせません。ただし「簿記3級 過去問題集 pdf」で出てくるファイルのなかには、市販の問題集を無断でアップロードしたものも混ざっています。著作権侵害のファイルは避け、次のような正規の入手ルートを使ってください。
- 商工会議所の検定試験サイト:ネット試験のサンプル問題を無料で体験できます
- 市販の過去問題集・予想問題集:購入者向けに答案用紙のpdfが出版社サイトから無料でダウンロードできるものが多く、何度でも印刷して解き直せます
- 模擬試験プログラム:TAC出版・翔泳社などの2026年度版テキストに付属し、ネット試験と同じ画面で練習できます
配点どおりに練習できる予想問題集
本試験と同じ大問構成・配点で作られた問題集を1冊用意しておくと、得点の記録がそのまま実力チェックになります。2026年9月時点の定番は次の2冊です。
| 順位 | 商品名 | メーカー | 価格目安 | 収録数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | スッキリうかる日商簿記3級 本試験予想問題集 2026年度版 | TAC出版 | 1,320円 | 予想問題14回分+ネット試験模擬5回分 |
| 2 | パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級 総仕上げ問題集 | 翔泳社 | 1,650円 | 本試験レベルの問題+解き方の解説 |
スッキリうかる日商簿記3級 本試験予想問題集は回数の多さが強みで、1日1回分ずつ解けば2週間で14回分を回せます。パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級 総仕上げ問題集は、合格者がどの順番でどう解くかの解説が手厚く、第2問・第3問の部分点の取り方を学びたい人に向いています。
過去問題集は「大問別の得点」を記録しながら解く
過去問や予想問題を解いたら、合計点だけでなく大問ごとの得点をノートに記録しましょう。たとえば「第1問33点・第2問8点・第3問26点=67点」のように書き出すと、あと3点をどこで取るべきかが一目でわかります。3回分記録すれば、自分の弱点が第2問なのか第3問なのかがはっきりします。
配点から逆算した簿記3級の勉強時間とスケジュール
独学の勉強時間は70〜100時間が一般的な目安です。配点の比重に合わせて、学習時間の配分も決めておくと効率が上がります。
- 仕訳(第1問対策):全体の約40%(30〜40時間)。すべての大問の土台になります
- 決算整理(第3問対策):全体の約35%(25〜35時間)。精算表と財務諸表の両方を解いておくと安心です
- 補助簿・勘定記入(第2問対策):全体の約25%(15〜25時間)。2027年度以降に受ける人は比重を上げましょう
11月15日の統一試験を目指すなら、残りは約7週間です。平日1.5時間・休日3時間のペースで進めれば、1週間で約13.5時間、7週間で90時間ほど確保できる計算です。
簿記3級は経理・事務職の求人で「歓迎資格」として挙げられることが多く、未経験から経理職への転職や、社内でのキャリアアップの足がかりとして取る人も目立ちます。財務諸表を読むスキルは、営業職や管理職でも評価されやすいでしょう。独学に不安がある人は、教育訓練給付金の対象になっている簿記講座を選ぶと、受講料の一部が戻ってくる場合もあります。2級まで取得すると、年収レンジの高い経理求人に応募できる幅も広がります。
簿記3級の配点に関するよくある質問
Q. 簿記3級に足切りはありますか?
簿記3級には大問ごとの足切り点は設けられていません。合計で70点以上取れば合格です。ただし第3問を大きく落とすと70点に届かない計算になるため、各大問で目標点を決めておくと安全です。
Q. 第1問の仕訳に部分点はありますか?
第1問は1問3点で、借方・貸方の勘定科目と金額がすべて合っていないと得点になりません。部分点がないぶん、ケアレスミスがそのまま失点につながるので、見直しの時間を5分残す配分が有効です。
Q. 第2問が全く解けなかった場合でも合格できますか?
理論上は第1問45点満点と第3問25点以上で70点に届きます。ただ第1問を満点で取るのは簡単ではないため、第2問でも最低6〜8点は拾う前提で対策しておくと現実的です。
Q. 配点の細かい内訳(採点箇所)は公表されていますか?
大問ごとの配点は公表されていますが、第2問・第3問の解答欄ごとの細かい配点は公表されていません。市販の問題集に載っている配点は、各出版社が本試験を分析して設定した目安です。
Q. 2027年4月の配点変更で難易度は上がりますか?
合格基準の70点は変わらないため、試験全体の難易度が大きく変わるとは限りません。ただ第2問の比重が20点から25点に上がるので、第2問が苦手な人にとっては少し厳しくなる可能性があります。
Q. ネット試験と統一試験で配点は違いますか?
配点・試験時間・合格基準はどちらも同じです。違いは解答方法で、ネット試験はパソコン画面での入力、統一試験は紙の答案用紙への記入になります。
配点を味方につけて、次の簿記3級で70点を確実に超えよう
簿記3級の合否を分けるのは、配点45点の第1問でどれだけ稼ぎ、35点の第3問で部分点をどこまで積み上げられるかです。第2問は最後に回し、解ける小問から点を拾う――この順番を決めておくだけで、本番の60分の使い方は大きく変わります。
まずは手元の問題集で1回分を60分で解き、大問別の得点を書き出してみてください。第1問が36点に届いていなければ仕訳の反復を、第3問が24点未満なら決算整理仕訳の復習を優先すると、残り7週間の勉強時間を最も効率よく使えます。




