令和8年度の日本語教員試験は、2026年11月8日(日)に全国8地域で実施されます。この記事を公開した10月23日の時点で、本番まで残り16日。受験票が届き、会場がわかって急に実感がわいてきた人も多い時期です。
国家資格「登録日本語教員」になるための試験は今回が3回目です。前回(令和7年度)の合格率は全体で67.5%と高く見えますが、基礎試験と応用試験を両方受けた人に限ると35.7%まで下がります。数字の見え方が受験ルートによって大きく違う試験なので、自分がどの立場で受けるのかを押さえたうえで残り2週間を組み立てることが大切です。
この記事でわかること
- 11月8日当日の時間割と、13会場の所在地
- 基礎試験・応用試験の合格基準と、ルート別の合格率
- 残り16日を使い切る日別スケジュール
- 聴解50問で点を落とさないための準備
- 前日・当日の持ち物と、合格発表から登録までの流れ
日本語教員試験2026の時間割と会場
令和8年度は休憩時間の配分が前年から変わっています。昼休憩が10分短くなり、応用試験の読解と聴解の間の休憩が10分長くなりました。前回、トイレの行列で休憩時間がほぼなくなったという声が多かったことへの対応とされています。
| 区分 | 試験時間 | 問題数 | 形式 |
|---|---|---|---|
| 基礎試験(午前) | 120分 | 100問 | マークシート |
| 昼休憩 | 60分 | — | 前年比10分短縮 |
| 応用試験(読解) | 100分 | 60問 | マークシート |
| 休憩 | 40分 | — | 前年比10分延長 |
| 応用試験(聴解) | 約50分 | 50問 | 音声問題・マークシート |
終了予定は17時頃で、基礎試験免除の人は午後からの受験になります。1日がかりの長丁場なので、集中力の配分も勉強と同じくらい重要です。
会場は8地域13か所です。北海道(札幌市)、東北(仙台市)、関東(東京5か所・横浜市1か所)、中部(愛知県日進市)、近畿(大阪府和泉市)、中四国(岡山市)、九州(福岡市)、沖縄(中頭郡西原町)。関東は前年の3会場から6会場に増えましたが、受験者が会場を選ぶことはできません。受験票に書かれた会場を必ず確認し、乗換案内で所要時間を一度調べておきましょう。日進市や和泉市のように駅から距離がある会場もあり、バスの本数が少ない時間帯もあります。
合格基準とルート別の合格率

文部科学省が示している合格基準は次のとおりです。
- 基礎試験:5区分それぞれで6割程度、かつ総合得点で8割程度
- 応用試験:総合得点で6割程度
どちらも年度ごとの難易度によって調整されることがあります。見落としやすいのは、基礎試験に「区分ごとの足切り」があることです。総合で8割を取れていても、1区分だけ6割を下回ると不合格になる可能性があります。
| 受験の区分(令和7年度) | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 全体 | 17,597人 | 11,876人 | 67.5% |
| 基礎・応用の両方を受験 | 3,796人 | 1,355人 | 35.7% |
| 基礎試験免除(応用のみ) | 10,949人 | 7,669人 | 70.0% |
令和6年度の第1回は全体の合格率が62.6%(受験者17,655人・合格者11,051人)でした。全体の数字を押し上げているのは、養成講座の修了などで基礎試験が免除される受験者です。独学や通信講座で両方の試験に挑む人にとっては、3人に1人程度しか受からない試験と考えておくほうが現実に近いでしょう。
残り16日の日別スケジュール

直前期に新しい参考書へ手を広げるのは逆効果になりがちです。これまで使ってきた教材を軸に、弱点区分と聴解に時間を寄せていく配分をおすすめします。
| 期間 | やること | 1日の目安 |
|---|---|---|
| 10/23〜10/26(4日間) | 過去問または模擬問題を1回分、本番と同じ時間で解き、区分別の正答率を出す | 平日2時間・休日5時間 |
| 10/27〜11/1(6日間) | 6割に届かなかった区分の用語・理論を集中的に復習 | 2〜3時間 |
| 11/2〜11/5(4日間) | 聴解を毎日1セット、読解の時間配分の練習 | 2時間 |
| 11/6〜11/7(2日間) | 間違えた問題の見直しのみ。新しい問題には手を出さない | 1〜2時間 |
最初の4日間で区分別の正答率を出しておくと、残りの12日間を何に使うかがはっきりします。5区分は「社会・文化・地域」「言語と社会」「言語と心理」「言語と教育」「言語」に分かれており、受験生によって得意・不得意の差が大きく出ます。実際に正答率を出してみると、自分では得意だと思っていた区分が6割ぎりぎりだった、というケースは珍しくありません。
文部科学省は過去の試験問題を公開しているので、手元に模擬問題がない人はまずそれを1回分解いてみてください。本番と同じ120分・100問の流れを一度体験しておくだけで、当日の時間感覚がかなり変わります。
聴解50問で点を落とさないための準備

応用試験の聴解は、音声を聞いて学習者の発音の誤りや教師の指導の意図を判断する形式です。読解と違って聞き直しができないため、慣れの差がそのまま点数に出やすい区分です。
毎日1セット、本番と同じ環境で聞く
イヤホンではなくスピーカーで、少し離れた位置から聞く練習をしておくと本番の環境に近づきます。会場では教室のスピーカーから音声が流れるため、自宅でイヤホンだけを使っていると、響きの違いに戸惑うかもしれません。
アクセント・拍・調音点を図で整理しておく
発音の誤りを問う問題は、音声学の基礎知識があれば選択肢を2つまで絞れることが多いです。直前期は理論を深掘りするより、調音点(唇・歯茎・硬口蓋など)と調音法の表を1枚にまとめ、毎朝5分眺めるほうが得点につながります。
40分の休憩を聴解の準備に使う
読解のあとの休憩が40分に延びたことで、トイレを済ませたあとに頭を切り替える余裕ができました。休憩中は読解の見直しをするより、聴解でよく出る用語メモを見返す時間にあてるのが効率的です。
直前期の教材と当日の持ち物
新しい教材を増やす必要はありませんが、まだ問題集を1冊も解いていない場合や、応用試験だけ対策が手薄な場合は、試験の形式に合わせた問題集を1冊だけ追加しておくと心強いでしょう。
日本語教員試験 攻略問題集
アスク出版の日本語教員試験 攻略問題集は、基礎試験と応用試験の両方の形式に対応した問題集です。区分ごとに問題が整理されているため、最初の4日間で正答率を出す用途に向いています。価格は2,750円です。
日本語教員試験 応用試験 問題集
基礎試験が免除で応用試験だけを受ける人には、日本語教員試験 応用試験 問題集(志賀玲子ほか著)が合います。読解と聴解の両方を収録しており、本番の時間配分を練習できます。こちらも2,750円です。
また、用語の意味があいまいなまま選択肢を選んでいる自覚があるなら、手持ちの用語集や用語事典を1冊決めておくと役立ちます。1項目が見開き程度でまとまっているので、間違えた問題の用語だけを引いて確認する使い方に向いた1冊です。
前日・当日の持ち物確認と過ごし方
受験票は10月中旬に届いています。前日の夜に、次の持ち物を1か所にまとめておきましょう。
- 受験票
- 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
- HBまたはBの鉛筆と消しゴム(シャープペンシルの可否は受験案内で確認)
- 時計(通信機能のないもの)
- 昼食と飲み物(会場周辺の店は混雑するため持参がおすすめ)
- 羽織るもの(11月の教室は暖房の効き方に差があります)
補聴器を使う人は、事前の申請が必要です。申請していない場合は試験本部へ早めに問い合わせてください。当日は試験開始の30分前には会場に着く計画で動くと、トイレや席の確認にも余裕が持てます。
合格発表から登録日本語教員になるまでの流れ
試験の結果は2026年12月18日に通知される予定です。合格したらすぐに登録日本語教員になれるわけではなく、試験ルートの場合は次の順番で進みます。
- 日本語教員試験(基礎試験・応用試験)に合格する
- 登録実践研修機関で実践研修を修了する
- 文部科学大臣に登録を申請する
実践研修は教壇実習を含むため、仕事をしながら受ける場合は平日の時間確保が課題です。研修費用は機関によって異なり、教育訓練給付金の対象となる講座も見つかるでしょう。給付の条件や申請方法は教育訓練給付金2026完全ガイドで確認できます。
認定日本語教育機関で教えるには、原則として登録日本語教員の資格が必要です。現職の日本語教師には2029年3月末までの経過措置がありますが、日本語学校の求人では資格の取得を条件にするところが増えつつあります。将来の就職や転職、キャリアアップを考えるなら、今回の試験で一歩進めておく価値は大きいでしょう。ほかの資格とあわせてスキルの幅を広げたい人は、社会人おすすめ資格ランキングも参考になります。
日本語教員試験2026のよくある質問
Q1. 試験会場は自分で選べますか?
出願時に選べるのは地域までで、具体的な会場は指定されます。関東は東京5か所・横浜1か所のどこになるか受験票で初めてわかるため、届いたらすぐに確認してください。
Q2. 基礎試験の合格基準は何点ですか?
5区分それぞれで6割程度、かつ総合得点で8割程度が目安です。年度ごとの難易度によって調整されることがあります。
Q3. 残り2週間で合格ラインに届きますか?
これまでの学習量によりますが、区分別の正答率を出して6割未満の区分に絞れば、短期間でも点数を上げやすい試験です。新しい教材に手を広げず、聴解の練習量を確保することを優先しましょう。
Q4. 合格発表はいつですか?
2026年12月18日に結果が通知される予定です。不合格の場合でも、合格した試験区分の扱いについては受験案内で確認しておくと次回の計画が立てやすくなるでしょう。
Q5. 合格したらすぐに日本語学校で働けますか?
試験ルートでは、合格後に実践研修を修了し、登録の手続きを終える必要があります。研修の日程は機関ごとに異なるため、合格発表前から情報を集めておくと動き出しが早くなるはずです。
Q6. 来年度から試験の方式は変わりますか?
CBT方式(コンピューターで解答する方式)への移行が予定されており、2027年2月にプレテストが行われる予定です。今回が紙の試験で受けられる最後の機会になる可能性もあります。
11月8日に向けて今日から動き出そう
残り16日で大切なのは、全部を覚え直すことではなく、合格基準に届いていない区分を見つけて埋めることです。最初の4日間で区分別の正答率を出し、残りの時間は弱点と聴解に寄せる。この配分を守るだけで、直前期の迷いはかなり減ります。
- 今週末までに本番と同じ時間で1回分を解く
- 6割未満の区分をリストにして、毎日1区分ずつつぶす
- 受験票の会場と経路を今日のうちに確認する
12月18日の結果通知のあとには、実践研修という次のステップが待っています。まずは11月8日、これまでの積み重ねを答案に出し切りましょう。














