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タグ: 宅建業法

  • 宅建の名義貸しとは2026 罰則・宅建士の処分・専任の宅建士・バレる理由など

    宅建の名義貸しとは2026 罰則・宅建士の処分・専任の宅建士・バレる理由など

    「宅建士の資格だけ貸してくれたら、毎月数万円払うよ」。宅建に合格すると、知人や不動産会社からこうした誘いを受けることがあると言われています。働かずに収入が得られるなら悪くない話に聞こえるかもしれません。

    しかし、宅建の名義貸しは宅地建物取引業法で明確に禁止されている行為です。業者側には最大で3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、法人には1億円以下の罰金が予定されています。宅建士本人も、事務禁止処分や登録消除によって、せっかく取った資格を使えなくなるおそれもあるでしょう。

    • 宅建の名義貸しにあたる2つのパターン
    • 宅建業法13条・68条・84条にもとづく罰則と処分の一覧
    • 「専任の宅建士」として名前だけ置くことが違法になる理由
    • 名義貸しが発覚する主なきっかけと、2021年の最高裁判決
    • 試験で問われやすい論点の整理
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    宅建の名義貸しとは 業者の名義と宅建士の名義の2パターン

    一口に「宅建の名義貸し」と言っても、実際には性質の違う2つの行為が含まれます。混同したまま覚えると、試験でも実務でも判断を誤りやすいので注意が必要です。

    パターン 具体的な行為 根拠条文
    宅建業者の名義貸し 免許を持つ業者が、無免許の人に自社名義で宅建業を営ませる・広告させる 宅建業法13条
    宅建士の名義貸し 宅建士が他人に自分の名義を使わせ、その人が宅建士であるかのように表示する/勤務実態がないのに専任の宅建士として登録させる 宅建業法68条1項2号・31条の3など

    1つ目は「会社の免許」を貸す行為、2つ目は「個人の資格」を貸す行為です。宅建に合格したばかりの人が誘われやすいのは、ほとんどが2つ目のパターンでしょう。

    報酬の有無は関係ない

    名義貸しは、お金を受け取っていなくても成立します。「友人の会社を立ち上げる間だけ」「数か月だけ」といった一時的な貸し借りでも、違法である点は変わりません。

    名義貸しの罰則と処分一覧 業者・宅建士・法人別

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    Photo by 旭 吉田 on Pexels

    宅建業法には刑事罰と行政処分の2系統があり、名義貸しにはその両方が関わります。2025年6月の刑法改正で「懲役」は「拘禁刑」に一本化されたため、最新の条文表記もあわせて確認しておきましょう。

    対象 違反内容 罰則・処分
    名義を貸した業者 他人に宅建業を営ませた(13条1項) 3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、または併科(79条3号)
    名義を貸した業者 他人に表示・広告をさせた(13条2項) 100万円以下の罰金(82条2号)
    名義を借りた無免許者 無免許営業(12条1項) 3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、または併科
    法人(両罰規定) 役員・従業者が79条の違反をした場合 法人に1億円以下の罰金(84条1号)
    業者への行政処分 名義貸し・専任宅建士の不足など 指示処分、1年以内の業務停止、情状が特に重いときは免許取消し
    宅建士への行政処分 名義の使用を許し、他人が宅建士と表示した(68条1項2号) 指示処分、1年以内の事務禁止、情状が特に重いときは登録消除

    登録消除になると5年間は再登録できない

    宅建士が不正行為を理由に登録消除処分を受けると、その処分の日から5年間は再び登録を受けられません。宅建士証も返納しなければならず、資格手当や転職の選択肢を一度に失うことになります。数万円の謝礼と比べると、リスクの大きさは明らかです。

    「専任の宅建士だけ貸して」は違法 業者側のルールから考える

    宅建の名義貸しとは 「専任の宅建士だけ貸して」は違法 業者側のルールから考えるのイメージ
    Photo by Tara Winstead on Pexels

    名義貸しの誘いが生まれる背景には、宅建業者の専任の宅建士の設置義務があります。事務所ごとに、業務に従事する者5人に1人以上の割合で成年の専任宅建士を置かなければならず、欠けた場合は2週間以内に補充する必要があります(31条の3)。

    ここでいう「専任」とは、その事務所に常勤して宅建業の業務に専ら従事している状態を指します。名前だけを登録して実際には出社しない、という形では専任性が認められません。

    専任性を否定されやすい典型例

    • 他社の正社員として別の会社にフルタイム勤務している
    • 事務所から通勤できない遠方に住んでいる
    • 給与の支払いや社会保険の加入実態がない
    • 重要事項説明書への記名を本人が一度も行っていない

    テレワークの普及で、ITを活用した在宅勤務の専任宅建士も一定の条件下で認められるようになりました。ただし、これは実際に業務を担っていることが前提です。「在宅なら名前だけでも大丈夫」という話ではありません。

    名義貸しがバレる主なきっかけと民事上のリスク

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    Photo by Dr. Mohammad Hoque on Pexels

    「黙っていれば分からない」と考えるのは危険です。名義貸しは、思わぬところから表面化することが多いと言われています。

    1. 行政の立入検査:都道府県の担当者が事務所を訪れ、従業者名簿や勤務実態を確認するのが一般的です。
    2. 社会保険・雇用保険の記録:本業の勤務先と二重加入になっていると矛盾が生じます。
    3. 取引トラブルからの発覚:顧客との紛争で重要事項説明の担当者を確認した結果、本人が関与していなかったことが判明するケースです。
    4. 業者との関係悪化:謝礼の未払いや退職をめぐって、当事者の一方が申し出ることもあります。

    2021年最高裁判決 名義借りの利益分配合意は無効

    民事の面でも、名義貸しは守られません。最高裁は2021年(令和3年)6月29日、無免許者が宅建業者の名義を借りて取引を行い、その利益を分け合う合意について、宅建業法12条1項・13条1項の趣旨に反し公序良俗違反で無効と判断しました。約束した報酬や分配金を裁判で請求しても認められない可能性が高い、ということです。

    さらに、取引で顧客に損害が出れば、名義を貸した側も損害賠償を求められるおそれがあります。

    宅建試験で問われる名義貸しの論点

    名義貸しは宅建業法の頻出テーマで、監督処分や罰則とセットで出題されます。直前の見直しや来年度の学習では、次の3点を区別して覚えておくと得点につながりやすいでしょう。

    • 13条1項と2項の違い:営業させたか(拘禁刑あり)、表示・広告だけか(罰金100万円以下)
    • 処分権者:宅建士への事務禁止・登録消除は登録先の知事。業者への処分は免許権者
    • 期間の上限:業務停止・事務禁止はいずれも1年以内

    来年度に向けて通信講座で学び直す場合、厚生労働大臣の指定を受けた講座なら教育訓練給付金(一般教育訓練は受講費用の20%、上限10万円)の対象になることがあります。申込前に講座ページで指定番号の有無を確認しておくと、受講料の負担を抑えられるでしょう。

    合格後の手続きについては宅建の登録実務講習ガイド、5年ごとの更新は宅建士証の更新・法定講習でまとめています。

    資格を正しく活かすために揃えたい準備物

    名義貸しに頼らなくても、宅建士の資格は正規の勤務で十分に価値を発揮するはずです。重要事項説明の実務スキルを磨くうえで、手元にあると安心なものを挙げておきます。

    宅建プロフェッショナル六法

    条文だけでは判断しにくい専任性や監督処分の運用を確認するための1冊です。宅建プロフェッショナル六法は宅建業法・施行令・施行規則に加え、国交省の「解釈・運用の考え方」も収録されており、専任性の判断に迷ったときの確認に役立ちます。年度版で3,000〜4,000円台が目安です。

    宅建プロフェッショナル六法 2025 [ 池田 真朗 ]

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    2,750円 (税込)

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    宅建士 職印

    重要事項説明書や37条書面への記名の際、会社によっては押印を求められることも珍しくありません。宅建士 職印は認印タイプなら2,000〜5,000円前後で用意できます。

    宅建業法に基づく重要事項説明Q&A100

    重要事項説明では宅建士証の提示が義務づけられており、説明内容にも宅建士個人の責任が伴います。宅建業法に基づく重要事項説明Q&A100は現場で起きやすい疑問をQ&A形式でまとめた実務書で、名前だけの宅建士では務まらない業務の重さを実感できる1冊です。

    宅建業法に基づく重要事項説明Q&A100/村上・新村法律事務所/監修

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    4,400円 (税込)

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    宅建の名義貸しに関するよくある質問

    Q. 名義貸しの報酬はいくらくらいと言われていますか?

    A. 月数万円程度を提示されるという話がありますが、金額にかかわらず違法です。最高裁判決の趣旨からも、約束した報酬が法的に保護される可能性は低いと考えられます。

    Q. 宅建に合格しただけで登録していない場合も処分されますか?

    A. 未登録の合格者は宅建士ではないため、宅建士として名義を使わせること自体ができません。ただし、宅建士と偽る行為に加担すれば、将来の登録審査で不利になるおそれがあります。

    Q. 副業で別の不動産会社の専任宅建士になれますか?

    A. 専任宅建士は常勤が前提のため、本業がフルタイム勤務の場合は難しいのが一般的です。専任ではない一般の宅建士として、重要事項説明を担当する形であれば可能な場合もあります。

    Q. 家族経営の会社に名前だけ置くのも名義貸しですか?

    A. 家族であっても、実際に勤務していなければ専任性は認められません。名前だけの在籍は違反と判断されるおそれがあります。

    Q. すでに名義を貸してしまった場合はどうすればいいですか?

    A. 早めに関係を解消し、宅建業に詳しい弁護士や都道府県の宅建業担当窓口に相談するのが賢明です。状況を放置するほど処分が重くなる可能性があります。

    Q. 名義貸しは宅建試験で毎年出題されますか?

    A. 毎年必ずとは限りませんが、監督処分や罰則の選択肢として繰り返し問われています。13条・68条・84条の数字は優先して覚えておきたい論点です。

    宅建士の資格は自分の名前で使い続けよう

    宅建の名義貸しは、業者には拘禁刑3年・罰金300万円・法人罰金1億円、宅建士には事務禁止や登録消除という重い結果を招きます。報酬の約束も裁判で守られない可能性が高く、得られるものに対して失うものが大きすぎる行為です。

    誘いを受けたら、その場で断るのがいちばんの自衛策です。資格を活かしたいなら、登録実務講習から宅建士証の交付まで正規の手続きを進め、自分の名前で重要事項説明に立つ道を選んでください。まずは手元の宅建業法テキストで13条と68条を読み返すところから始めてみましょう。




  • 宅建 35条書面と37条書面の違い 比較表・記載事項・覚え方・ひっかけ対策など

    宅建 35条書面と37条書面の違い 比較表・記載事項・覚え方・ひっかけ対策など

    

    宅建試験の宅建業法で、毎年のように点を落としやすいのが「35条書面(重要事項説明書)」と「37条書面(契約書面)」の区別です。どちらも宅建士が記名する書面で、記載事項もかなり重なっています。

    令和8年度(2026年度)の宅建試験は10月18日(日)13:00〜15:00に実施されます。残りはおよそ2週間半です。宅建業法は50問中20問を占める得点源なので、この2つの書面を比較表で一気に整理しておくと、本番で2〜3点を確実に拾えるはずです。

    この記事でわかること

    • 35条書面と37条書面の違いを「時期・相手・説明者・目的」の4軸で比べた比較表
    • 記載事項を「35条だけ/37条だけ/両方」に仕分けた一覧
    • 試験直前でも覚えられる語呂合わせと覚え方のコツ
    • 本試験でよく出るひっかけパターンと、直前2週間の仕上げ方
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    宅建 35条書面と37条書面の違いを4軸の比較表で整理

    最初に全体像をつかみましょう。細かい記載事項を覚える前に「いつ・誰に・誰が・何のために」という4つの軸で違いを押さえると、個別の論点で迷ったときも正解を推理しやすくなります。

    比較軸 35条書面(重要事項説明書) 37条書面(契約書面)
    交付の時期 契約が成立する前 契約が成立した後、遅滞なく
    交付の相手 買主・借主など取得する側だけ 契約の両当事者(売主と買主、貸主と借主)
    説明義務 あり(宅建士が説明する) なし(交付だけでよい)
    宅建士証の提示 説明の際に必ず提示 求められていない
    宅建士の記名 必要 必要
    目的 契約するかどうかの判断材料を示す 合意した契約内容を記録して紛争を防ぐ
    宅建業者が相手の場合 書面の交付は必要・説明は省略できる 交付は必要(省略できない)
    電磁的方法 相手方の承諾があれば可 相手方の承諾があれば可

    「判断材料」と「契約の控え」という目的の差がすべての出発点

    35条書面は、これから物件を買う人・借りる人が「本当にこの物件で契約していいのか」を判断するための情報開示です。登記された権利や法令上の制限、ハザードマップのように、物件そのものに付いているリスクが中心になります。

    一方で37条書面は、すでに合意した内容を紙に残しておくための書面です。代金の額や支払時期、引渡しの時期など、当事者同士が決めた約束が記載の中心です。この目的の差を頭に置くと、たとえば「私道負担に関する事項」は物件のリスクなので35条、「引渡しの時期」は当事者の約束なので37条、というように初見の選択肢でも仕分けやすくなります。

    説明するのは35条だけ、記名は両方に必要

    試験で最も狙われるのが「説明」と「記名」の組み合わせです。35条は宅建士が説明し、書面に記名します。37条は宅建士が記名すれば足り、説明義務はありません。なお、交付そのものは宅建士でなくても、宅建業者の従業員が行えます。この点は35条も37条も共通です。

    2022年5月の改正で、どちらの書面も押印は不要になり、「記名」だけになりました。古い問題集には「記名押印」と書かれたままのものがあるため、年度版の古い教材を使っている方は注意が必要です。

    記載事項を「35条だけ・37条だけ・両方」に仕分けた一覧

    宅建の35条書面と37条書面に宅建士が記名する場面をイメージした書類へのサイン
    Photo by Tima Miroshnichenko on Pexels

    ここが本丸です。記載事項は全部を丸暗記しようとすると量が多すぎるので、「両方に出てくるもの」を先に固め、残りを片側に振り分ける順番で覚えると効率が上がります。

    35条書面と37条書面の両方に登場する事項

    事項 35条書面での扱い 37条書面での扱い
    代金・借賃以外に授受される金銭 額と目的 定めがあれば額・時期・目的
    契約の解除 解除に関する事項(必ず記載) 定めがあれば記載
    損害賠償額の予定・違約金 必ず記載 定めがあれば記載
    ローンに関する事項 あっせんの内容と、不成立時の措置 定めがあれば不成立時の措置(売買・交換のみ)
    契約不適合責任の履行措置 保証保険などの措置を講じるかどうかと概要 定めがあればその内容(売買・交換のみ)

    ポイントは、35条では「必ず書く」ものが、37条では「定めがあるときだけ書く(任意的記載事項)」に変わるという対応関係です。さらに「代金以外の金銭」は、37条になると授受の時期が加わります。本試験では「35条書面に授受の時期を記載しなければならない」という誤りの選択肢として何度も出題されています。

    35条書面にだけ登場する主な事項

    • 登記された権利の種類・内容、登記名義人
    • 都市計画法・建築基準法などの法令上の制限
    • 私道に関する負担(建物の貸借では不要)
    • 飲用水・電気・ガス・排水施設の整備状況
    • 造成宅地防災区域・土砂災害警戒区域・津波災害警戒区域内かどうか
    • 水防法にもとづく水害ハザードマップ上の物件の位置(2020年8月から追加)
    • 石綿(アスベスト)使用調査の記録、1981年5月31日以前に着工した建物の耐震診断
    • 既存建物の建物状況調査(インスペクション)の実施の有無と結果の概要
    • 手付金等の保全措置、支払金・預り金の保全措置
    • 区分所有建物の敷地・共用部分・管理規約に関する事項

    37条書面にだけ登場する主な事項

    • 当事者の氏名(法人の場合は名称)と住所
    • 物件を特定するために必要な表示
    • 代金・借賃の額、支払時期、支払方法
    • 物件の引渡しの時期
    • 移転登記の申請の時期(売買・交換のみ)
    • 既存建物の構造耐力上主要な部分等の状況について、当事者双方が確認した事項(売買・交換のみ)
    • 天災その他不可抗力による損害の負担(危険負担)の定め
    • 租税その他の公課の負担の定め(売買・交換のみ)

    意外と見落としやすいのが「代金の額」です。35条書面には代金や借賃の額そのものは記載事項になっていません。金額は交渉で最後まで動くため、契約前の説明事項ではなく、合意後の37条書面に書くものと整理すると納得しやすいでしょう。

    直前2週間でも覚えられる35条・37条の覚え方

    宅建試験に向けて35条・37条の記載事項をノートにまとめて比較する受験生
    Photo by SHVETS production on Pexels

    残り時間が少ない時期は、ゼロから語呂合わせを増やすよりも、軸を1本決めて仕分ける練習を繰り返すほうが得点に直結します。ここでは実際の受験生がよく使う3つの方法を紹介します。

    覚え方1:「物件のリスクは35、約束は37」で仕分ける

    最もシンプルで応用が利く方法です。実際に過去10年分の書面問題をこの軸で解き直すと、迷う選択肢がかなり減ることに気づくはずです。問題文の事項を見たら「これは物件に最初から付いている性質か、それとも当事者が決めたことか」を自問します。前者なら35条、後者なら37条です。法令上の制限・ハザードマップ・インフラ整備は物件の性質なので35条、代金・引渡し時期・登記申請時期は約束なので37条です。この1本の軸だけで、宅建業法の書面問題の7割程度は判断がつくと言われています。

    覚え方2:37条の必要的記載事項は「名・物・代・引・登・確」の6文字

    37条書面で必ず書く事項(必要的記載事項)は、頭文字をつなげて「名・物・代・引・登・確」と覚えると便利です。

    • 名:当事者の氏名・住所
    • 物:物件の特定に必要な表示
    • 代:代金・借賃の額、支払時期・方法
    • 引:引渡しの時期
    • 登:移転登記の申請時期(貸借は不要)
    • 確:既存建物の構造耐力上主要な部分等の状況を当事者双方が確認した事項(貸借は不要)

    このうち「登」と「確」は売買・交換だけで、貸借では書かなくてよい点もセットで押さえておくと、貸借のひっかけにも対応できます。

    覚え方3:過去問を「書面別」ではなく「事項別」に解き直す

    過去問集は年度順や論点順に並んでいることが多いものの、直前期は「代金以外の金銭」「損害賠償額の予定」「ローン」のように、事項ごとに35条と37条の問題を並べて解くと差が浮かび上がります。1事項あたり5〜10分で、両方の書面での扱いを口に出して確認するだけでも記憶の定着が変わるでしょう。1日3事項なら約1週間で主要15事項を一周できる計算です。

    宅建本試験で出る35条・37条のひっかけパターン5選

    宅建業法の37条書面(契約書面)に署名する手元のクローズアップ
    Photo by https://kaboompics.com/ on Pexels

    宅建業法20問のうち、35条・37条がらみの問題は例年2〜4問ほど出題されています。受験者数は令和7年度で245,462人、合格率は18.7%、合格点は33点でした。1点の差で合否が分かれる試験なので、定番のひっかけは事前に知っておくだけで失点を防げます。

    ひっかけの内容 正しい知識
    37条書面も宅建士が説明しなければならない × 37条は交付だけ。説明義務は35条のみ
    35条書面は売主にも交付する × 35条は買主・借主など取得する側だけ
    相手が宅建業者なら37条書面は省略できる × 37条は業者間でも交付が必要
    35条書面には代金以外の金銭の授受の時期も書く × 時期が加わるのは37条
    建物の貸借でも私道負担を35条で説明する × 建物の貸借では私道負担の説明は不要

    「宅建士でなくてもよい行為」を区別する

    交付・説明・記名の3つの行為のうち、宅建士でなければできないのは「35条の説明」と「35条・37条への記名」です。交付は従業員でも構いません。「宅建士をして交付させなければならない」という選択肢は誤りなので、行為ごとに誰がやるのかを表で確認しておきましょう。

    直前期の仕上げ方と、宅建合格後に広がるキャリア

    残り約2週間半を35条・37条にどれだけ割くかは、現在の得点状況によって変わります。模試で宅建業法が15点を下回っている場合は、書面の論点を最優先で固めるのが効率的です。

    10月18日までの仕上げスケジュール例

    時期 やること 1日の目安時間
    9月30日〜10月5日 比較表を見ながら両書面の事項別過去問を一周 60〜90分
    10月6日〜10月11日 間違えた事項だけを一問一答アプリで反復 30〜60分
    10月12日〜10月17日 予想模試で時間配分を確認し、業法の見直しを最後に 模試1回+復習

    宅建 直前予想模試

    残り2週間半で本番と同じ2時間の演習を積むなら、宅建 直前予想模試の2026年度版が1冊あると安心です。各社の予想模試は4回分前後を収録していて、法改正や統計の最新論点も押さえられています。35条・37条の書面問題は毎回のように含まれるため、この記事の比較表と照らし合わせながら復習すると、弱点の事項がはっきりします。価格は1冊1,500〜2,500円前後が目安です。

    2026年版 出る順宅建士 当たる!直前予想模試 (出る順宅建士シリーズ) [ 東京リーガルマインド LEC総合研究所 宅建士試験部 ]

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    宅建 一問一答

    通勤時間やスキマ時間の反復には、宅建 一問一答形式の問題集が向いています。1問30秒ほどで解けるので、1日20問でも2週間で約280問を回せる計算です。35条・37条の論点は「〇か×か」で判断する形式と相性がよく、ひっかけの言い回しに慣れるのにも役立ちます。購入する場合は、記名押印の改正が反映された2026年度版かどうかを必ず確認しましょう。

    合格後の年収・転職と、講座費用の給付金

    宅建士は不動産会社で5人に1人以上の設置が義務づけられている資格で、資格手当は月1〜3万円程度が相場とされています。年収に換算すると12〜36万円の差になり、不動産業界への転職や、金融・建設業界で契約実務のスキルを示す材料にもつながります。

    次の試験に向けて通信講座を使う場合は、厚生労働省の教育訓練給付制度(一般教育訓練給付金)の対象講座かどうかも確認しておきましょう。対象講座なら受講費用の20%(上限10万円)がハローワーク経由で戻ってきます。

    当日の持ち物や時間配分は宅建 試験当日の持ち物・注意点2026、残り期間の全体計画は宅建 直前1ヶ月の勉強法2026にまとめています。

    よくある質問:宅建の35条書面と37条書面

    Q1. 35条書面と37条書面は同じ日に交付してもよいですか?

    同じ日でも問題ありません。ただし順番は必ず「35条の説明・交付 → 契約成立 → 37条の交付」です。実務では重要事項説明を行い、その場で署名して契約に進むケースも多く、1〜2時間のうちに両方の書面が渡されることもあります。試験では「契約締結後に35条の説明をした」という順序違反が誤りの選択肢として出題されます。

    Q2. 37条書面に宅建士の記名は本当に必要ですか?

    必要です。37条書面は説明義務がないため記名も不要と勘違いされやすいのですが、宅建業法37条3項で宅建士の記名が義務づけられています。2022年5月の法改正で押印は不要になりましたが、記名は35条・37条とも残っています。「記名押印」と書かれた古い教材は、この点だけ読み替えて使いましょう。

    Q3. 貸借の場合、37条書面に書かなくてよい事項はどれですか?

    必要的記載事項のうち「移転登記の申請時期」と「既存建物の構造耐力上主要な部分等の状況の確認事項」は、売買・交換だけの事項です。任意的記載事項では、ローン不成立時の措置、契約不適合責任の定めと履行措置、租税公課の負担の3つが売買・交換に限られます。貸借のひっかけはこの5項目から出ることが多いと言われています。

    Q4. 35条・37条は宅建試験で何点分出題されますか?

    年度によって異なりますが、35条単独・37条単独・両者の比較問題を合わせて例年2〜4問程度です。宅建業法は20問あり、合格者の多くは17点以上を取っています。書面の問題は知識がそのまま点数になるタイプなので、直前期に比較表を覚えた分だけ得点が安定しやすい分野です。

    Q5. 宅建業者間の取引では35条書面も不要ですか?

    いいえ、不要になるのは「説明」だけです。相手方が宅建業者の場合でも35条書面の交付は必要で、宅建士の記名も省略できません。37条書面は業者間でも通常どおり交付が必要です。「業者間なら35条書面の交付を省略できる」という選択肢は誤りなので、説明と交付を分けて覚えておきましょう。

    比較表を片手に宅建業法の得点を固めよう

    35条書面は「契約前・取得者だけ・宅建士が説明」、37条書面は「契約後・両当事者・説明不要」。この骨格さえ押さえれば、記載事項の細部は「物件のリスクか、当事者の約束か」で推理できます。残りの日数は、両方に出てくる5つの事項と37条の「名・物・代・引・登・確」を最優先に、事項別の過去問を繰り返してみてください。

    手元の問題集が古い年度版の場合は、2026年度版の過去問集や直前予想模試を1冊追加して、法改正の論点と最新の出題形式を確認しておくと安心です。10月18日の本番で、宅建業法を得点源にしましょう。