サイバー攻撃の件数が年々増加するなか、セキュリティ人材の市場価値は急上昇しています。経済産業省の試算によると、2030年までに国内で約3.4万人のセキュリティ人材が不足する見通しです。doda調査でもセキュリティエンジニアの平均年収は約620万円で、IT業界平均452万円を大幅に上回る水準となっています。
未経験者からベテランまで目的別に最適なセキュリティ資格を厳選し、受験料・合格率・勉強時間を一覧比較しました。費用を抑える教育訓練給付金の活用法にも触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 目的別のセキュリティ資格ロードマップが明確になる
- 各資格の受験料・合格率・勉強時間を一覧比較できる
- 未経験からのステップアップ順序が把握できる
- 教育訓練給付金で費用を抑える方法も確認可能
セキュリティ資格の市場価値と取得メリット
セキュリティ資格を取得する最大の利点は、年収への直接的なインパクトでしょう。CISSPやCompTIA Security+などの国際資格保有者は、外資系企業や大手SIerで年収800万円以上のポジションに応募できるケースも珍しくありません。IPAの調査では約67%の企業が「採用時にセキュリティ資格を重視する」と回答しており、人事評価の加点対象として広く認知されています。
実際に未経験からSG(情報セキュリティマネジメント試験)を取得してSOCアナリストへ転職した方の体験談では、「書類選考の通過率が格段に上がった」という声が目立つ傾向です。異業種からIT業界へキャリアチェンジする際、資格は学習意欲と基礎力を客観的に示す大きな武器となるでしょう。
未経験者におすすめのセキュリティ資格3選

情報セキュリティマネジメント試験(SG)
IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が実施する国家試験で、セキュリティ入門として最も取り組みやすい資格となっています。CBT方式で年間を通じて随時受験でき、全国200か所以上のテストセンターから最寄り会場を選べる手軽さも人気の理由でしょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験料 | 7,500円(税込) |
| 合格率 | 約69〜73%(令和5〜6年度) |
| 勉強時間 | 50〜100時間 |
| 試験形式 | CBT(科目A 48問+科目B 12問) |
| 受験資格 | なし |
合格率は約70%前後と比較的高い数値を記録しています。ただし科目Bの実践シナリオ問題で苦戦する受験者も少なくないため、油断はできません。独学ならIPA公式過去問題と市販テキスト1冊で合格を狙えるコストパフォーマンスの高さも特長のひとつ。現地のテストセンターで受験した方からは「科目Aは30分で解き終わるが、科目Bは時間ギリギリだった」との声も聞かれます。
CompTIA Security+(SY0-701)
CompTIAが提供するベンダーニュートラルな国際認定資格です。世界147か国以上で認知されており、米国国防総省の職員要件にも含まれるほどの信頼性を誇ります。グローバルキャリアを目指す方にとって強力な武器になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験料 | 約50,000円前後(為替変動あり) |
| 合格ライン | 750点/900点満点 |
| 勉強時間 | 50〜100時間(IT基礎知識がある場合) |
| 試験形式 | 最大90問(選択式+パフォーマンスベース) |
| 有効期限 | 3年(CE更新が必要) |
受験料はやや高額なものの、Udemyの対策講座なら2,000〜3,000円程度で受講可能です。IT基礎知識があれば2〜3か月の学習で合格圏に到達できるでしょう。使ってみると分かりますが、Udemy模擬問題集は実試験の出題傾向にかなり近い構成になっており、効率よく試験対策を進められます。
Cisco CyberOps Associate
シスコシステムズ提供のSOCアナリスト向け入門資格です。ネットワークセキュリティの監視・分析スキルを実践的に証明できるため、SOCでのキャリアを志す方には最適な選択肢です。受験料は約40,000円前後で、試験時間120分・95〜105問が出題されます。ネットワーク基礎知識が前提のため、CCNAを先に取得してから挑戦するのが王道ルートです。
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実務経験者向けの上位セキュリティ資格

CISSP(Certified Information Systems Security Professional)
ISC2認定のセキュリティ最上位資格で、「セキュリティのゴールドスタンダード」と称されています。取得には5年以上の実務経験が求められ、CAT形式の試験は125〜175問・最大4時間という長丁場です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験料 | 749ドル(約11.2万円) |
| 必要経験 | 8ドメイン中2つ以上で5年 |
| 勉強時間 | 200〜400時間 |
| 試験形式 | CAT方式(125〜175問・最大4時間) |
| 年間維持費 | 125ドル+年間40CPE |
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警視庁や大手金融機関での評価が高く、CISSP保有者の平均年収は国内で約780万円との調査データも存在します。実際にCISSP取得後に年収が150万円アップした転職成功例もあり、投資対効果の高さが際立ちます。8ドメインに及ぶ試験範囲をカバーするには、体系的な学習計画が不可欠です。
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情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)
国内セキュリティ資格の最高峰に位置する国家試験です。合格率は約20%前後と難関ですが、名称独占資格として登録制度が整備されており、官公庁案件やセキュリティコンサルティングの現場で重宝される存在となっています。受験料7,500円と手頃な価格設定。春期(4月)と秋期(10月)の年2回実施で、午前I・午前II・午後の3段階試験のうち午後の記述問題が合否の分かれ目です。
目的別ロードマップと費用を抑える方法

セキュリティ資格は単体よりも、キャリア段階に合わせた戦略的な組み合わせで効果が最大化されます。
未経験からセキュリティエンジニアを目指す場合
STEP 1: SG(情報セキュリティマネジメント試験)で基礎固め。期間1〜2か月、費用は7,500円+テキスト代約2,000円。
STEP 2: CompTIA Security+で国際的な実力証明。期間2〜3か月、費用は約50,000円+学習教材3,000円。
STEP 3: 実務経験を積みながらCISSPまたは登録セキスペへ挑戦。1〜2年後が目安です。
社内SEからセキュリティ専門職へ転向する場合
STEP 1: CompTIA Security+で既存IT知識を活かして短期取得。
STEP 2: 情報処理安全確保支援士で国内での公的な信用力を獲得。
STEP 3: CISSP取得でグローバル案件やマネジメント層への道を切り拓く。
教育訓練給付金の活用
対象講座であれば受講費用の20〜80%が支給される制度です。情報処理安全確保支援士の対策講座は専門実践教育訓練に該当するケースもあり、年間上限64万円の給付を受けられる可能性があります。ハローワークの「教育訓練給付制度検索システム」で対象講座を確認してみてください。
効率的な勉強法と活用したい学習サービス
独学で進めるときのポイント
テキスト通読、問題演習、弱点補強のサイクルが学習の基本形です。SGであればIPA公式サイトで過去問題が無料公開されているため、まず過去3回分を解いて出題傾向をつかむのが効果的な第一歩となります。CompTIA Security+については英語の公式学習ガイドが最も網羅性に優れていますが、日本語対応の市販対策本も選択肢として増えてきた状況です。
オンライン学習サービスを活用する場合
UdemyではSecurity+やCISSPの対策コースがセール時に1,200〜2,400円で提供されることがあります。動画と模擬問題がセットになっており、通勤時間を活用した学習にも最適です。
Schooやグロービス学び放題は月額制のサービスで、情報セキュリティの基礎概念からビジネス活用法まで幅広いコンテンツが揃っています。複数の資格を並行して学びたい方にとってはコストメリットの大きい選択肢です。
よくある質問
Q. SGは独学で合格できますか?
A. 合格率約70%の試験で、市販テキスト1冊と過去問演習で十分に独学合格が可能です。IT未経験でも50〜100時間の学習で合格圏に到達できるでしょう。
Q. Security+とSGはどちらを先に取るべきですか?
A. 国内企業への就転職ならSGが先、外資系企業を視野に入れるならSecurity+から着手するのがおすすめです。両方取得するとアピール力が大幅に高まります。
Q. CISSPは未経験でも受験できますか?
A. 受験自体は経験不問で可能です。正式認定には8ドメイン中2つ以上で計5年の実務経験が必要ですが、経験不足の場合は「Associate of ISC2」として仮認定を受けられる仕組みとなっています。
Q. 資格の維持費はどのくらいですか?
A. 国家試験(SG・登録セキスペ)は基本的に維持費不要です。ただし登録セキスペは3年ごとの更新講習(約2万円)が求められます。Security+は3年ごとのCE更新、CISSPは年間125ドルと40CPEの継続教育が条件です。
Q. 給付金はセキュリティ資格講座にも使えますか?
A. 対象指定されていれば利用可能です。安全確保支援士の対策講座は専門実践教育訓練に該当するケースもあり、最大80%の給付を受けられる場合があります。ハローワークの検索システムで確認してみてください。
Q. 未経験からセキュリティ職に就くまでの期間は?
A. SG取得(1〜2か月)からSecurity+取得(2〜3か月)、転職活動(1〜3か月)で最短6か月〜1年が目安です。ヘルプデスクやインフラエンジニアとして実務経験を積むルートなら、2〜3年の計画が堅実です。
セキュリティ資格で次のキャリアを切り拓こう
サイバーセキュリティ人材の不足は今後も拡大する見込みで、資格取得者への需要は高まり続けるでしょう。受験料7,500円のSGなら、週末学習だけでも1〜2か月で合格圏に到達可能です。教育訓練給付金を活用すれば上位資格の対策講座も費用を抑えて受講できるため、まずはSGで基礎を固め、キャリア目標に合わせてSecurity+やCISSPへステップアップする流れが堅実なルートではないでしょうか。
