令和8年度の行政書士試験は11月8日(日)13:00〜16:00です。10月5日の今日から数えると、残りは34日。受験票の発送も10月19日(月)に予定されていて、ここからの1ヶ月で合否がほぼ決まると言われる時期に入りました。
行政書士試験は300点満点中180点が合格ラインですが、それだけでは受かりません。法令等で122点、基礎知識で24点という2つの足切りがあり、どちらかを下回ると総得点が180点を超えていても不合格になります。直前期の勉強は、この3つの基準を同時に満たす点数の組み立てから逆算する必要があります。
- 令和8年度試験の日程・配点・合格基準(行政書士試験研究センターの公表情報で確認済み)
- 残り34日を3期に分けた勉強スケジュール
- 行政法・民法・記述式・基礎知識それぞれの直前期の優先順位
- 模試の点数の読み方と、伸び悩むときの立て直し方
- 直前期に使う過去問集・模試・記述式問題集の選び方
令和8年度行政書士試験の日程と合格基準
一般財団法人行政書士試験研究センターが公表している令和8年度試験の主な日程は次のとおりです。申込受付はすでに終了しています(インターネットは8月24日、郵送は8月17日消印有効まで)。
| 項目 | 令和8年度(2026年度) |
|---|---|
| 試験日 | 2026年11月8日(日) |
| 試験時間 | 13:00〜16:00(3時間) |
| 受験票の発送 | 10月19日(月)予定 |
| 受験手数料 | 10,400円 |
| 合格発表 | 2027年1月27日(水)9:00 |
3つの合格基準と、足切りの点数
| 基準 | 満点 | 必要な点数 |
|---|---|---|
| 法令等科目(46題) | 244点 | 50%以上=122点以上 |
| 基礎知識科目(14題) | 56点 | 40%以上=24点以上(6問正解) |
| 試験全体 | 300点 | 60%以上=180点以上 |
ちなみに令和7年度試験の結果は、受験者数50,163人に対して合格者数7,292人、合格率は14.54%でした。前年度の12.90%から上がり、ここ5年でもっとも高い水準です。それでも7人に1人程度しか受からない試験なので、直前期の過ごし方で順位が大きく入れ替わります。
配点から逆算する行政書士試験の目標点

まずは科目ごとの配点を確認しましょう。法令等の5肢択一式40問(各4点)、多肢選択式3問(各8点)、記述式3問(各20点)、基礎知識14問(各4点)で、合計300点です。
| 科目・形式 | 出題数 | 配点 | 目標点の一例 |
|---|---|---|---|
| 行政法(5肢択一) | 19問 | 76点 | 60点(15問) |
| 民法(5肢択一) | 9問 | 36点 | 24点(6問) |
| 憲法(5肢択一) | 5問 | 20点 | 12点(3問) |
| 商法・会社法(5肢択一) | 5問 | 20点 | 8点(2問) |
| 基礎法学(5肢択一) | 2問 | 8点 | 4点(1問) |
| 多肢選択式(憲法1・行政法2) | 3問 | 24点 | 16点 |
| 記述式(行政法1・民法2) | 3問 | 60点 | 30点 |
| 基礎知識 | 14問 | 56点 | 32点(8問) |
| 合計 | 60題 | 300点 | 186点 |
この配分だと法令等は154点、基礎知識は32点となり、2つの足切りにも余裕があります。ポイントは、記述式以外(5肢択一・多肢選択・基礎知識)で156点を固めておけば、記述式は24点(60点中4割)でも180点に届くという構造です。記述式は採点基準が公表されておらず、自己採点のぶれも大きいため、記述に頼らずに合格点へ近づけておくほうが安全と考えられます。
残り34日の行政書士試験 直前期スケジュール

10月6日(火)〜11月7日(土)の33日間を、次の3期に分けます。平日2〜3時間、休日5〜6時間を想定した計画です。
| 期間 | 日数 | 中心にやること |
|---|---|---|
| 第1期:10月6日(火)〜10月18日(日) | 13日 | 行政法の過去問総ざらい+模試1回目 |
| 第2期:10月19日(月)〜11月1日(日) | 14日 | 民法・記述式の強化+模試2〜3回目 |
| 第3期:11月2日(月)〜11月7日(土) | 6日 | 間違えた問題の解き直し・条文の確認・本番時刻リハーサル |
第1期(13日間):行政法19問で15問を取れる状態にする
行政法は5肢択一だけで76点、多肢選択と記述を含めると100点を超える最大の得点源です。直前期の最初の2週間は、行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法・国家賠償法・地方自治法の過去問を1日2〜3テーマずつ回します。
行政手続法と行政不服審査法は条文がそのまま問われやすく、比較表で覚えると効率が上がります。審査請求期間(処分を知った日の翌日から3か月)と取消訴訟の出訴期間(6か月)のように、数字が似ていて混同しやすい箇所はこの時期に一覧にしておきましょう。
第2期(14日間):民法と記述式で上積みする
民法は9問36点と配点が大きい一方、範囲が広く直前期に満点を狙う科目ではありません。過去問で繰り返し出ている意思表示・代理・時効・物権変動・債務不履行・相続に絞って確認しましょう。
記述式は、1日1問を「40字前後で書き切る」練習に充てます。完璧な解答でなくても、キーワードが入っていれば部分点がつく可能性があります。問われている内容(誰が・誰に対して・何を請求できるか)を先に書き出し、それを40字に収める手順を体に覚えさせるのが目的です。
第3期(6日間):新しいことはやらない
最後の6日間は、新しい問題集や論点に手を広げません。これまでの模試と過去問で間違えた問題だけを解き直し、行政手続法・行政不服審査法の条文を素読します。11月3日(火・祝)など休日のうち1日は、本番と同じ13:00開始・3時間で模試を1回分解いておくと、当日の時間感覚がつかめます。
模試の点数の読み方と、伸び悩んだときの立て直し方

直前期の模試は、合否を占うためではなく本番で落とす問題を事前に見つけるために受けるものです。点数そのものより、どこで失点したかを見ることが大切です。
模試を受けたら確認する4つのこと
- 法令等が122点を超えているか(足切りライン)
- 基礎知識で6問以上取れているか(足切りライン)
- 行政法の5肢択一で何問落としたか(目標15問)
- 解き終わるまでに何分かかったか(見直しの時間が残っていたか)
総得点が150点前後でも、行政法で13〜14問取れていれば残り1ヶ月で伸びる余地は十分あります。反対に、総得点は170点台でも基礎知識が5問以下なら、足切りのリスクが残る点に注意が必要です。
基礎知識の足切り対策は「文章理解3問」から
基礎知識14問のうち、文章理解は例年3問出題されています。読解力で解ける問題なので、毎日1問ずつ解いておけば3問すべてを得点源にできます。これに行政書士法・戸籍法・住民基本台帳法などの業務関連法令と、個人情報保護・情報通信の分野で3問を足せば、足切りラインの6問に届く計算です。
時間切れになる人は解く順番を固定する
実際に模試を3時間で解いてみると、多くの受験生が最後の記述式で時間不足になります。おすすめは、基礎知識(文章理解から)→行政法→民法→記述式→多肢選択→憲法・商法・基礎法学のように、得点しやすい順に解く順番をあらかじめ決めておく方法です。どの順番でも構いませんが、模試ごとに変えないことが大切です。
直前期に使う行政書士の過去問集・模試・記述式問題集
残り1ヶ月で教材を増やしすぎると、どれも中途半端に終わってしまいます。基本は過去問集1冊+直前模試1冊+記述式問題集1冊で十分です。
合格革命 行政書士 肢別過去問集
合格革命 行政書士 肢別過去問集は、過去問を1肢ずつ○×形式で確認できる問題集です。第1期の行政法総ざらいで、スキマ時間に1日50肢ずつ回す使い方に向いています。
うかる!行政書士 直前模試
うかる!行政書士 直前模試は、本試験形式の模試を通しで解ける直前期向けの1冊です。第2期と第3期の本番時刻リハーサルに使うと、3時間の時間配分を確かめられます。
出る順行政書士 40字記述式・多肢選択式問題集
出る順行政書士 40字記述式・多肢選択式問題集は、記述式と多肢選択式に絞った問題集です。記述式を1日1問ずつ書く練習の題材として、第2期に使うのがおすすめです。
いずれも最新年度版が出ているか、購入前に版の年度を確認してください。法改正が反映されていない古い年度の問題集は、直前期には向きません。
行政書士試験の直前期によくある質問
Q. 残り1ヶ月で、模試が120点台です。まだ間に合いますか?
可能性はあります。ただし、全科目を均等に勉強するのではなく、行政法の5肢択一と基礎知識の文章理解に時間を集中させてください。行政法で3〜4問、文章理解で1〜2問上積みできれば、それだけで20点以上伸びる計算です。
Q. 記述式は何点くらい取れれば合格できますか?
択一式と多肢選択式の出来によりますが、記述式に頼らず合格点に近づけておくのが理想です。上の目標点の例では、記述式60点のうち30点、つまり半分程度で180点を超える配分にしています。
Q. 商法・会社法は捨ててもいいですか?
5問20点なので、完全に捨てると他の科目の負担が大きくなります。設立・株式・機関など頻出テーマに絞り、5問中2問を取る目標にすると現実的です。
Q. 基礎知識の足切りが不安です。何から手をつければいいですか?
まずは文章理解の3問を確実に取れるようにしましょう。次に、行政書士法・戸籍法・住民基本台帳法など業務関連の法令を、過去問で問われた範囲だけ確認しておくと効率的です。
Q. 受験票が届かない場合はどうすればいいですか?
受験票は10月19日(月)発送予定です。数日たっても届かない場合は、行政書士試験研究センターの案内に従って問い合わせてください。試験会場は受験票に記載されるため、届いたらすぐに会場までの経路を確認しておくと安心です。
Q. 合格したら、行政書士の仕事で年収はどのくらい見込めますか?
開業か勤務か、扱う業務(許認可申請・在留資格・相続など)によって大きく異なります。資格だけで収入が決まるわけではなく、合格後に実務のスキルをどう身につけるかが鍵になります。また、行政書士講座の中には教育訓練給付金の対象講座もあるため、不合格だった場合の再挑戦では制度の利用も検討してみてください。
11月8日に向けて、今日やる3つのこと
行政書士試験の直前期は、勉強量よりも得点の組み立て方で結果が変わります。まずは今日、次の3つから始めてみてください。
- 手元の模試か過去問1回分の点数を、法令等・基礎知識・合計の3つに分けて書き出す
- 足切りラインとの差を確認し、第1期で伸ばす科目を1つ決める
- 11月3日(火・祝)など、本番時刻でリハーサルする日をカレンダーに入れる
残り34日。行政法の過去問を1日1テーマずつ積み上げていけば、11月8日の13:00には落ち着いて問題用紙を開ける状態に近づけるはずです。
