11月8日(日)の16時、3時間の試験が終わって会場を出た瞬間、多くの受験生が最初にスマホで探すのが「解答速報」です。ただ、速報は予備校ごとに公開時刻も解答の確度も違い、記述式の採点予想はさらにばらつきます。どの速報を何時に見て、自己採点の結果をどう読めば「待つ」「次の準備を始める」を判断できるのかまでを、令和8年度(2026年度)行政書士試験に合わせて整理しました。
この記事でわかること
- 2025年度の実績から見る、主要予備校の解答速報の公開時刻
- 択一・多肢選択・記述式に分けた自己採点の手順
- 合格点180点と2つの足切りラインの読み方
- 2027年1月27日(水)の合格発表までにやっておくこと
- 合格した場合・届かなかった場合それぞれの次の一手
行政書士試験2026の日程と解答速報が出る時間
令和8年度の行政書士試験は2026年11月8日(日)13時〜16時の3時間です。合格発表は2027年1月27日(水)で、一般財団法人行政書士試験研究センターのウェブサイトに合格者の受験番号が掲載されます。
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 試験日 | 2026年11月8日(日)13:00〜16:00 |
| 解答速報(予備校) | 試験当日 17時前後〜20時ごろ |
| 正式な正解の公表 | 合格発表と同時(研究センター) |
| 合格発表 | 2027年1月27日(水) |
| 成績・合否の通知 | 受験者全員に郵送(合格発表後) |
2025年度の解答速報の公開時刻(参考)
2026年度の各社の公開時刻は直前に告知されることが多いため、ここでは前年度(2025年11月9日実施)の実績を目安としてまとめました。
| 予備校・通信講座 | 2025年度の公開時刻 | 特徴 |
|---|---|---|
| アガルート | 16時57分〜 | 最速組。試験終了から約1時間で公開 |
| 伊藤塾 | 17時58分〜 | 18時からYouTubeで解答速報会を配信 |
| ユーキャン | 18時ごろ〜順次 | 択一の正解番号を中心に順次更新 |
| LEC | 20時〜 | 19時から解答速報会をライブ配信 |
| TAC | 19時30分〜(速報会) | 講師陣による講評つきライブ配信 |
帰りの電車で最初に見る1社と、夜に照合する2社目を決めておくと、解答が割れている問題に気づきやすくなります。2社以上で正解番号が一致している問題から先に採点するのが、ぶれの少ない進め方です。
自己採点のやり方:問題用紙のマークを3つの形式に分けて数える

行政書士試験は60問・300点満点で、形式によって1問あたりの配点が大きく違います。まず配点表を手元に置いてください。
| 区分 | 形式 | 問題数 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 法令等(244点) | 5肢択一式 | 40問 | 各4点・計160点 |
| 多肢選択式 | 3問(空欄12個) | 空欄1つ2点・計24点 | |
| 記述式 | 3問 | 各20点・計60点 | |
| 基礎知識(56点) | 5肢択一式 | 14問 | 各4点・計56点 |
手順1:択一式と多肢選択式を確定させる
問題用紙に自分の解答を書き写しておいた人は、まず法令等の択一40問と基礎知識14問を照合します。多肢選択式は空欄1つで2点なので、1問8点を「全部正解か0点か」で数えないよう注意が必要です。ここまでで記述式を除いた最大240点のうち何点取れたかが確定します。
手順2:記述式は「幅」で見積もる
記述式は40字程度で答える形式で、部分点がつきます。速報に載るのは模範解答だけで、採点基準は公表されません。そのため自己採点では、キーワードが揃っている問題を14〜20点、半分程度なら6〜12点、方向違いは0点として下限と上限の2本の数字で見積もるのが現実的です。
手順3:足切りを先に確認する
合計点より先に見るべきなのが、次の2つの基準です。
- 法令等で122点以上(244点の50%)
- 基礎知識で24点以上(14問中6問正解)
基礎知識は2024年度から「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」に名称と出題範囲が変わり、情報通信・個人情報保護に加えて行政書士法などの業務関連法令も出るようになりました。5問正解の20点で止まると、合計が200点を超えていても不合格になる点は意外と見落とされがちです。
合格点180点と自己採点結果の読み方

合格基準は300点満点中180点以上(6割)で、法令等と基礎知識の足切りを両方クリアしていることが条件です。絶対評価のため、他の受験者の出来で合格点が上下することは原則ありません。ただし、問題の難易度によっては補正措置がとられる可能性があると試験案内に明記されています。
記述式を除いた点数別の目安
| 択一+多肢の合計 | 記述式で必要な点 | 読み方 |
|---|---|---|
| 180点以上 | 0点 | 足切りを越えていれば合格圏 |
| 160〜178点 | 2〜20点 | 記述1問分の部分点で届く可能性が高い |
| 140〜158点 | 22〜40点 | 記述の出来しだい。発表まで結果は読めない |
| 120〜138点 | 42〜60点 | 記述でほぼ満点が必要。次年度準備を並行 |
| 118点以下 | 62点以上 | 記述満点でも届かない計算 |
140点台は毎年もっとも気持ちが落ち着かないゾーンです。記述式は採点が年によって厳しめ・甘めに振れると言われており、予備校の講評でも見解が分かれます。ここに入った人は、合否を予想し続けるより、受かっていれば登録準備、届かなければ2027年度の学習という2つの計画を同時に用意しておくほうが、発表までの約11週間を有効に使えます。
直近5年の合格率
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2021年度(令和3年) | 47,870人 | 5,353人 | 11.18% |
| 2022年度(令和4年) | 47,850人 | 5,802人 | 12.13% |
| 2023年度(令和5年) | 46,991人 | 6,571人 | 13.98% |
| 2024年度(令和6年) | 47,785人 | 6,165人 | 12.90% |
| 2025年度(令和7年) | 50,163人 | 7,292人 | 14.54% |
2025年度は受験者が5万人を超え、合格率14.54%は過去10年でも高めの水準でした。合格者7,292人のうち女性は2,193人(30.1%)で、初めて3割台に乗りました。最年長は77歳、最年少は13歳という幅の広さも、この試験が年齢や学歴を問わない国家試験であることを示しているのではないでしょうか。
合格発表までの約11週間にやっておくこと

試験翌日からの過ごし方は、自己採点の結果で大きく3つに分かれるでしょう。
合格圏の人:登録費用と開業の情報収集
行政書士として仕事をするには、事務所を置く都道府県の行政書士会を通じて日本行政書士会連合会に登録しなければなりません。登録手数料25,000円、登録免許税30,000円に、都道府県会ごとの入会金や会費が加わり、合計で約25万〜30万円台になるケースが多いとされています。金額は会によって違うため、発表前のうちに地元の会のサイトで確認しておくと、合格後に慌てずに済むはずです。
あわせて、企業内で資格を活かすのか独立するのかの方向性も考えておきたいところです。日本行政書士会連合会の2020年の実態調査では、年間売上高500万円未満の会員が約8割を占めており、開業しただけで収入が安定するわけではないことがわかります。許認可(建設業・運送業・在留資格など)の中から得意分野を1つ決め、関連する実務書を読み始める受験生も少なくありません。独立ではなく企業の法務・総務部門への転職を考える人は、求人票で「行政書士資格保有者歓迎」と書かれた案件を探すと、契約書チェックや許認可申請の実務スキルを評価してもらいやすくなります。
ボーダーの人:結果待ちの間に「保険」をかける
実際に過去の受験生の声を見ると、発表までの2ヶ月半で勉強を完全にやめてしまい、不合格がわかった1月に知識が抜けていて苦労したという話がよく聞かれます。140〜170点台で記述式しだいの人は、学習のリズムを完全に止めないことがポイントです。週3〜4時間でも民法と行政法の過去問を回しておくと、仮に届かなかった場合のスタートダッシュが変わります。合格していればその知識は実務にそのまま使えるため、無駄にはなりません。
次年度を目指す人:自己採点データを残しておく
科目別の得点をスプレッドシートに残しておくと、2027年度の学習計画が立てやすくなります。行政法・民法・基礎知識のどこで失点したかがわかれば、1年間の配分を決める材料になります。例年どおり11月第2日曜に実施されるなら、2027年度の試験は2027年11月14日(日)の見込みで、残りは約54週間です。
2027年度に再挑戦する場合の教材と講座の選び方
独学を続けるか、通信講座に切り替えるかは、今回の得点で判断すると迷いが減ります。択一+多肢で150点前後まで来ている人は独学の延長でも届く可能性があり、120点未満の人は学習方法そのものを見直すのが一般的な目安です。
合格革命 行政書士 基本テキスト
早稲田経営出版の定番テキストで、2027年度版は例年12月ごろから店頭に並びます。条文と判例の説明が丁寧で、法学部以外の出身者でも読み進めやすい構成です。価格は3,500円前後が目安です。
みんなが欲しかった!行政書士の教科書
TAC出版のフルカラーテキストで、図解が多く、通勤中にスマホで復習したい人に向いています。同シリーズの問題集と組み合わせると、1冊目の読み込みから過去問演習まで流れで進められます。価格は3,000円台が目安です。
行政書士 過去問題集(肢別・年度別)
本試験は過去問の焼き直しがそのまま出るわけではありませんが、行政法と民法の論点は繰り返し問われます。肢別の過去問集を1冊決めて3周するのが、得点を底上げする近道です。
2026年版 出る順行政書士 良問厳選 肢別過去問題集 (出る順行政書士シリーズ) [ 東京リーガルマインドLEC総合研究所 行政書士試験部 ]
3,850円 (税込)
独学と通信講座の比較
| 比較項目 | 独学 | 通信講座 |
|---|---|---|
| 費用 | 教材代 1万〜2万円 | 5万〜25万円程度 |
| 学習時間の目安 | 800〜1,000時間 | 500〜800時間 |
| 記述式の添削 | なし(自己採点のみ) | 講座によって添削あり |
| 法改正への対応 | 自分で追う必要あり | 講座側で反映 |
| 向いている人 | 前回150点前後で弱点が明確 | 前回120点未満・記述が白紙 |
通信講座の中には、厚生労働省の一般教育訓練給付金の対象になっているコースがあり、条件を満たすと受講料の20%(上限10万円)がハローワークから支給されます。対象講座かどうかは、各社の講座ページか厚生労働省の検索システムで確認できます。
行政書士試験の解答速報・自己採点に関するよくある質問
Q1. 解答速報はどこが一番正確ですか?
特定の1社が常に正確とは言い切れません。択一式は大手予備校の間で一致することが多く、割れた問題だけ複数社の講評を読み比べるのが確実です。
Q2. 問題用紙に自分の解答を書き写していませんでした。自己採点はできますか?
記憶をたどって分かる範囲で採点するしかありません。問題用紙は持ち帰れるので、来年受験する場合はマークと同時に問題用紙にも番号を書き込む習慣をつけておくと安心です。
Q3. 記述式の部分点はどのくらいつきますか?
採点基準は公表されていません。キーワードが合っていれば数点〜十数点がつくことが多いと言われていますが、年度による差もあります。自己採点では下限と上限の幅で見積もるのが無難です。
Q4. 正式な正解はいつ発表されますか?
行政書士試験研究センターが合格発表と同じ2027年1月27日(水)に公表する予定です。それまでは予備校の速報が頼りになります。
Q5. 合格発表はどこで確認できますか?
研究センターのウェブサイトに合格者の受験番号が載る予定です。あわせて受験者全員に合否と得点が郵送で通知され、合格者には合格証が届く流れです。
Q6. 補正措置はどんなときに行われますか?
試験問題の難易度を考慮して、合格基準が調整される可能性があると試験案内に記載されています。過去には実施された年もありますが、毎年行われるものではありません。
Q7. 基礎知識の足切りにかかった場合、法令等の得点は次年度に持ち越せますか?
持ち越せません。行政書士試験には科目合格制度がないため、翌年はすべての科目を受け直す必要があります。
11月8日の夜にやることを今のうちに決めておこう
解答速報は、どこを見るかよりも「見たあと何をするか」で価値が変わります。最初に照合する1社と2社目を決め、択一・多肢・記述の3つに分けて数え、足切り2つを先に確認する。この順番を試験前にメモしておくだけで、当日の夜の判断がずっと楽になります。合格圏なら登録費用と得意分野の情報集め、ボーダーなら学習を細く続ける、届かなかったら得点データを残して教材を見直す。どの結果でも、次の一歩はすぐに踏み出せます。
