約140ある通信講座のうち、2026年1月〜5月にユーキャンのホームページで最も申し込みが多かったのは、国家資格ではなく実用ボールペン字でした。2位に宅建士、3位に行政書士と難関の国家資格が続き、10位のITパスポートまで「仕事に直結する資格」と「暮らしに役立つ講座」が混在しています。
ランキングは「みんなが選んでいる講座」を知るには便利ですが、順位が高いからといって自分に合うとは限りません。受講料は26,000円〜69,000円と2.6倍の開きがあり、標準学習期間も3ヵ月〜6ヵ月と倍の差があります。ここでは公式ランキングに受講料・学習期間・試験の合格率・給付金の対象かどうかを重ねて、TOP10を比べられる形に整理しました。
この記事でわかること
- ユーキャン2026年上半期ランキングTOP10の顔ぶれと集計方法
- 10講座の受講料・標準学習期間・教育訓練給付金の対象を一覧で比較
- 宅建士・行政書士・登録販売者など国家資格の直近の合格率
- 「予算」「使える時間」「目的」別に選ぶときの考え方
- 2026年11月16日の学費改定で値上がりが告知されている講座
ユーキャン人気講座ランキング2026上半期TOP10の顔ぶれ
ユーキャンが2026年7月3日に発表したランキングは、2026年1月〜5月のホームページでの受講申込数をもとに集計されています。資料請求数ではなく申込数なので、「実際にお金を払って始めた人が多い順」と読み取れます。
| 順位 | 講座名 | 分類 | 標準学習期間 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 実用ボールペン字 | 趣味・実用 | 4ヵ月 |
| 2位 | 宅地建物取引士(宅建士) | 国家資格 | 6ヵ月 |
| 3位 | 行政書士 | 国家資格 | 6ヵ月 |
| 4位 | 医療事務 | 民間資格 | 4ヵ月 |
| 5位 | 子ども発達障がい支援実務士 | 民間資格 | 3ヵ月 |
| 6位 | 登録販売者 | 公的資格 | 6ヵ月 |
| 7位 | 簿記3級 | 検定 | 3ヵ月 |
| 8位 | ケアマネジャー | 公的資格 | 6ヵ月 |
| 9位 | ファイナンシャルプランナー(FP) | 国家資格 | 6ヵ月 |
| 10位 | ITパスポート | 国家試験 | 4ヵ月 |
並べてみると、TOP10のうち6講座が国家資格・公的資格で、残り4講座が民間資格や実用講座という構成です。不動産・法律(宅建士・行政書士)、医療・福祉(医療事務・子ども発達障がい支援実務士・登録販売者・ケアマネジャー)、お金とIT(簿記・FP・ITパスポート)の3つの系統に分かれている点も読み取れます。
1位が実用ボールペン字になった背景
ユーキャンの発表では、実用ボールペン字は前年に続いて1位です。デジタル化が進んだ今でも、履歴書・のし袋・冠婚葬祭の芳名帳・宅配便の伝票など、手書きの文字が人の目に触れる場面は意外と残っています。講座側も、受講生が書いてほしい文字を講師が直筆したお手本サービスが好評だと説明しています。
ボールペン字は合否のある試験がないため、「資格」というより「習い事」に近い位置づけです。そのぶん挫折しにくく、年末に年賀状や喪中はがきの宛名を書く機会が増える時期に始める人も少なくありません。独学で始める場合の練習帳選びはボールペン字の独学練習法で詳しく比べています。
2位・3位に法律系の国家資格が並ぶ理由
宅建士は不動産取引の重要事項説明ができる独占業務を持ち、不動産会社では事務所の従業員5人に1人以上の設置が義務づけられている資格です。行政書士は官公署に出す書類の作成を業として行える資格で、独立開業も視野に入ります。どちらも受験資格に学歴や年齢の制限がないため、社会人が仕事と並行して挑戦しやすいことが、毎年上位に入る理由と考えられます。
TOP10の受講料・学習期間・給付金を一覧で比較

次の表は、2026年11月2日時点でユーキャン公式の各講座費用ページに掲載されている一括払いの受講料です。金額には教材費・指導費・消費税が含まれ、送料はユーキャン負担と案内されています。
| 順位 | 講座名 | 一括払い | 分割払い(総額) | 教育訓練給付金 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 実用ボールペン字 | 29,000円 | 1,980円×15回(29,700円) | 表示なし |
| 2位 | 宅建士 | 64,000円 | 4,980円×13回(64,740円) | 対象(最大20%) |
| 3位 | 行政書士 | 69,000円 | 4,980円×14回(69,720円) | 対象(最大20%) |
| 4位 | 医療事務 | 49,000円 | 3,300円×15回(49,500円) | 対象(最大20%) |
| 5位 | 子ども発達障がい支援実務士 | 34,000円 | 3,140円×11回(34,540円) | 表示なし |
| 6位 | 登録販売者 | 54,000円 | 3,900円×14回(54,600円) | 対象(最大20%) |
| 7位 | 簿記3級 | 39,000円 | 3,300円×12回(39,600円) | 表示なし |
| 8位 | ケアマネジャー | 54,000円 | 3,900円×14回(54,600円) | 対象(最大20%) |
| 9位 | FP | 66,000円 | 4,760円×14回(66,640円) | 対象(最大20%) |
| 10位 | ITパスポート | 26,000円 | 2,680円×10回(26,800円) | 対象(最大20%) |
分割払いにすると、総額は一括払いより500円〜740円ほど高くなります。月々の負担は2,000円〜5,000円程度なので、スマホのサブスク1〜2本分と考えると始めやすい水準です。
教育訓練給付金で実質負担を下げる
宅建士・行政書士・医療事務・登録販売者・ケアマネジャー・FP・ITパスポートの7講座は、公式ページに一般教育訓練給付金の対象講座と明記されています。雇用保険の加入期間などの条件を満たして修了すると、受講料の20%(上限10万円)がハローワークから支給される制度です。たとえば行政書士講座の69,000円なら、条件を満たせば13,800円が戻り、実質55,200円で受講できる計算になります。
注意したいのは、受講開始日より前にハローワークで支給要件を確認しておくことと、申込時に「給付金を利用する」を選ぶ必要がある点です。制度の全体像は教育訓練給付金の完全ガイドにまとめています。
2026年11月16日の学費改定に注意
ユーキャンは2026年11月16日(月)9時から一部講座の学費を改定すると告知しました。TOP10の中では、5位の子ども発達障がい支援実務士講座が一括払い34,000円から39,000円へ、分割払いも9,900円×4回に変わると費用ページに掲載されています。手書きPOP講座や看取りケアパートナー講座なども同じ日に5,000円の値上げが告知されています。
一方、2026年11月2日時点で宅建士・行政書士・医療事務・登録販売者・簿記3級・ケアマネジャー・FPの費用ページには改定の記載は見当たりませんでした。気になる講座がある場合は、申し込む前に費用ページの最新表示を確認しておくと安心です。
国家資格6講座は合格率と試験日程で難易度を見極める

ランキング上位でも、合格までの距離は講座ごとにまったく違います。試験を伴う国家資格・公的資格は、直近の合格率と試験の時期を押さえておくと、「いつから始めれば間に合うか」の見通しが立ちます。
| 資格 | 直近の合格率 | 試験の時期 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 宅建士 | 18.7%(2025年度・合格点33点) | 毎年10月の第3日曜 | 合格者45,821人 |
| 行政書士 | 14.54%(2025年度) | 毎年11月の第2日曜 | 受験者50,163人中7,292人合格 |
| 登録販売者 | 40.7%(2025年度・全国) | 8月〜12月に都道府県ごと | 前年46.7%から6.0ポイント低下 |
| ケアマネジャー | 年度により変動 | 毎年10月 | 受験に実務経験5年以上が必要 |
| FP(3級・2級) | 級と実施団体で異なる | CBT方式で通年 | 3級は受験資格なし |
| ITパスポート | 回によって変動 | CBT方式で通年 | 全国の試験会場で随時受験 |
宅建士は「6ヵ月で33点前後」が目安
宅建試験は50問の四肢択一で、2025年度の合格点は33点でした。ユーキャンの標準学習期間は6ヵ月なので、10月の本試験から逆算すると4月までに始めるのがひとつの目安です。2026年度の試験はすでに10月に終わっているため、今から始める場合は2027年10月の試験に向けて1年近い期間を確保できます。合格発表の流れは宅建の合格発表と合格点の推移にまとめました。
行政書士は11月8日の本試験直前
行政書士試験は2026年度が11月8日(日)に実施されます。ランキングで3位に入った背景には、年明けから学習を始めて秋の本試験に備える人の申込みが1月〜5月に集中する傾向も影響していそうです。試験後の自己採点のやり方は行政書士試験2026の解答速報と自己採点で整理しています。2027年度に向けた基本書としては合格革命 行政書士 基本テキストが多くの受験生に選ばれている定番の1冊です。
登録販売者は都道府県ごとに受験日が違う
登録販売者は医薬品の販売に関わる公的資格で、試験は都道府県(ブロック)単位で実施されます。2025年度は全国で延べ58,996人が受験し、24,004人が合格しました。複数のブロックを受けられるため、日程の早い地域と遅い地域を併願する人もいます。勉強の進め方は登録販売者の独学ロードマップが参考になるはずです。
予算・時間・目的別に選ぶときの考え方

ランキングの上から順に選ぶより、「いくらまで出せるか」「1日に何分使えるか」「資格をどこで使いたいか」の3点を先に決めておくと、自分に合う講座が絞り込めます。
予算3万円以内・短期間で成果を出したい
受講料が3万円以内なのは、ITパスポート(26,000円)と実用ボールペン字(29,000円)の2講座です。ITパスポートはCBT方式で通年受験できるので、4ヵ月の標準学習期間を終えたら、空いている日に予約して受験する流れが組めます。ボールペン字は試験がないため、毎日15分ほど練習帳に向かう習慣をつけられるかどうかが成果の分かれ目です。
仕事で使える国家資格を1年かけて取りたい
本格的に仕事へ活かすなら、宅建士・行政書士・FPが候補になります。いずれも受講料は6万円台ですが、給付金の対象なので条件を満たせば1万2,800円〜1万3,800円が戻る計算です。宅建士とFPは不動産・相続・税金の知識が重なるため、宅建士→FP2級の順に取ると学習の重複を活かせます。
医療・福祉の現場で働きたい
医療事務・子ども発達障がい支援実務士・登録販売者・ケアマネジャーは、いずれも現場の人手不足と結びついた講座です。ただしケアマネジャーは介護・医療分野での実務経験5年以上などの受験要件があり、未経験からすぐに挑戦できるわけではありません。未経験から始めやすいのは医療事務と登録販売者で、医療事務は在宅で受けられる民間試験もあります。詳しくは医療事務の資格を独学で取る方法で比べました。
選ぶ前にやっておきたい3つの確認
- 無料の資料請求でテキストの見本ページを確認する(文字の大きさやイラストの量は人によって相性が分かれます)
- 試験日から逆算して、標準学習期間+1〜2ヵ月の余裕があるかを確かめる
- 給付金を使う場合は、受講開始前にハローワークで支給要件照会を済ませる
講座と併用したい市販テキスト
通信講座の教材だけで足りるケースがほとんどですが、過去問を多く解きたい人や、講座を申し込むか迷っている段階の人は、市販テキストで相性を確かめる方法もあります。
スッキリわかる 日商簿記3級
7位の簿記3級は、ネット試験なら通年で受験できます。TAC出版のスッキリわかる 日商簿記3級は、ストーリー仕立てで仕訳の流れをつかみやすいと評判です。講座を申し込む前に第1章だけ読んでみると、自分に向いているか判断しやすくなります。
いちばんやさしいITパスポート
ITパスポートは社会人に求められるITの基礎スキルを幅広く問う試験で、過去問の類題も多く出題されます。いちばんやさしいITパスポートはイラストの多い入門書で、ここで全体像をつかんでから、過去問サイトや問題集で繰り返し解く流れが一般的です。
みんなが欲しかった!宅建士の教科書
2位の宅建士を独学寄りで進めたい人に選ばれているのがみんなが欲しかった!宅建士の教科書です。フルカラーの図解で権利関係や宅建業法の全体像をつかみやすく、講座のテキストと並べて苦手分野の別解説として使う人もいます。
よくある質問
Q. ユーキャンのランキングは何をもとに集計されていますか?
A. 2026年上半期ランキングは、2026年1月〜5月のユーキャンホームページでの受講申込数をもとに、約140の講座から順位をつけたものです。資料請求数ではなく申込数のため、実際に学習を始めた人の多さを反映しています。
Q. TOP10で一番安い講座はどれですか?
A. 一括払いで最も安いのは10位のITパスポート講座の26,000円です。次いで実用ボールペン字講座の29,000円、子ども発達障がい支援実務士講座の34,000円という順番です。
Q. 教育訓練給付金はどの講座で使えますか?
A. TOP10では宅建士・行政書士・医療事務・登録販売者・ケアマネジャー・FP・ITパスポートの7講座が、公式ページで一般教育訓練給付金の対象と表示されています。条件を満たせば受講料の20%が支給されます。
Q. 11月16日の学費改定はすべての講座が対象ですか?
A. 一部の講座のみです。TOP10では子ども発達障がい支援実務士講座が34,000円から39,000円に改定されると告知されています。他の講座は2026年11月2日時点で費用ページに改定の記載はありませんでした。
Q. 宅建士と行政書士はどちらが難しいですか?
A. 2025年度の合格率は宅建士が18.7%、行政書士が14.54%で、行政書士の方がやや低い結果でした。行政書士は記述式もあり、出題範囲も憲法・民法・行政法と広いため、一般的には宅建士を先に取る人が多いと言われています。
Q. 資格試験のない講座でも履歴書に書けますか?
A. 子ども発達障がい支援実務士のように、修了認定試験に合格すると民間の認定資格が付与される講座は資格名として記載して問題ありません。実用ボールペン字は資格の付与がないため、「ユーキャン実用ボールペン字講座 修了」のように受講歴として書く形になります。
ランキングを手がかりに、自分の1講座を決めよう
2026年上半期のTOP10は、1位の実用ボールペン字から10位のITパスポートまで、受講料26,000円〜69,000円・学習期間3〜6ヵ月と幅広い講座が並びました。順位は「多くの人が選んだ」目安であり、決め手になるのは自分の予算と使える時間、そして資格を活かしたい場面です。
まずは気になる講座を2つに絞って無料の資料を取り寄せ、テキストの見本を見比べてみてください。給付金を使うならハローワークでの事前確認を、子ども発達障がい支援実務士講座を検討しているなら11月16日の学費改定前に申し込むかどうかを、今週中に決めておくと動き出しがスムーズです。