11月15日(日)の第174回日商簿記検定まで、今日(10月5日)から数えて残り41日です。テキストはひと通り読み終えたのに、過去問や予想問題を解くと60点前後で止まってしまう。この時期に相談が増えるのは、ほとんどがこの悩みです。
原因の多くは知識不足ではなく、演習の順番と復習のやり方にあります。簿記2級は90分で5つの大問を解き切る試験なので、1問ずつの理解と、90分を通しで戦う力は別物として鍛える必要があります。
この記事は「何を勉強するか」ではなく、残り40日で過去問・予想問題を何回分、どの順番で、どう解き直すかに絞った演習計画です。
- 第174回統一試験の日程と、申込締切の地域差(公式情報で確認済み)
- 予想問題集は何回分あれば足りるのか、3周回すときの具体的な割り振り
- 10月6日〜11月14日を3期に分けた日別の演習カレンダー
- 大問別の目標点と、点数が伸びないときの原因の切り分け方
- 解き直しノートの作り方と、本番形式90分のリハーサル手順
第174回簿記2級の試験日程と、直前期に押さえる数字
まずは日付を正確に押さえておきましょう。日本商工会議所の検定情報ページでは、第174回簿記検定試験は2026年11月15日(日)施行と案内されています。申込受付は9月28日(月)から全国の商工会議所で順次始まっていますが、締切日は商工会議所ごとに異なります。
| 項目 | 第174回(統一試験) |
|---|---|
| 試験日 | 2026年11月15日(日) |
| 2級の試験時間 | 13:30開始・90分 |
| 申込受付 | 9月28日(月)から順次開始。締切は地域で異なり、遅い地域で10月19日(月)前後 |
| 受験料(2級) | 5,500円(税込) |
| 合格基準 | 100点満点中70点以上 |
| 出題区分表 | 2022年度から適用の区分表から変更なし |
検索結果によって申込期間の表記がばらつくのは、全国一律の締切が存在しないためです。早い商工会議所ではすでに受付が終わっている可能性もあるため、受験予定地の商工会議所のページで締切を確認してから演習計画に入ってください。地域別の締切は第174回の申込締切カレンダーにまとめています。
もうひとつ大事なのが、日本商工会議所が「2022年度から適用している区分表から変更はない」と明示している点です。つまり、2022年度以降の出題形式に沿った予想問題集であれば、今回の対策にそのまま使えます。古い年度の過去問を集めるより、現行形式の問題を回数多く解くほうが効率的と考えられます。
簿記2級の過去問・予想問題は何回分必要か

結論から書くと、目安は「5〜6回分を3周」です。通信講座や資格予備校の解説でも同じ水準がよく示されており、合計で15〜18回の通し演習になります。
なぜ「10回分を1周」より「5回分を3周」なのか
簿記2級の出題は、連結会計・株主資本等変動計算書・本支店会計・標準原価計算など、パターンが決まっている論点の組み合わせです。新しい問題を次々と解いても、間違えた論点を放置すれば同じ場所で何度も失点します。
1周目で「解けなかった問題」を特定し、2周目でそれを潰し、3周目で時間内に解けるか確認する。この3段階を踏むほうが、得点は安定しやすい傾向があります。
市販の予想問題集の収録回数
2026年度向けに出ている代表的な問題集の収録内容は次のとおりです(出版社の公開情報より)。
| 問題集 | 収録内容 | 向いている人 |
|---|---|---|
| TAC出版 合格するための本試験問題集 日商簿記2級 2026年SS対策 | 本試験タイプ全12回(うち予想問題4回)+ネット試験の模擬試験プログラム10回分 | 回数をこなして形式に慣れたい人 |
| TAC出版 スッキリうかる 日商簿記2級 本試験予想問題集 | 予想問題9回分+購入者特典の模擬試験プログラム5回分 | 解説を読みながら弱点を埋めたい人 |
どちらか1冊で回数としては十分です。2冊目を買うのは、1冊を3周し終えてからでも遅くありません。
10月6日〜11月14日の過去問演習スケジュール(3期・40日)

残り40日を、次の3期に分けて使います。1日の勉強時間は平日2時間・休日4時間を想定しています。
| 期間 | 日数 | 演習内容 | 目標点 |
|---|---|---|---|
| 第1期:10月6日(火)〜10月18日(日) | 13日 | 大問別演習(1日1〜2題)+予想問題1周目 | 通しで55〜60点 |
| 第2期:10月19日(月)〜11月1日(日) | 14日 | 予想問題2周目(90分通し)+解き直し | 通しで65〜70点 |
| 第3期:11月2日(月)〜11月14日(土) | 13日 | 3周目・本番時刻リハーサル・総復習 | 通しで75点以上を安定 |
第1期(13日間):大問別に「解けない論点」を洗い出す
最初の2週間は、まだ90分通しにこだわりません。平日は大問1題ずつ時間を計って解き、休日に1回分を通しで解く流れです。
- 平日:第1問(仕訳5問)を12分で解く → 第4問または第5問を1題 → 解説を読んで解き直し
- 休日:予想問題1回分を通しで解く(時間超過してもよいので最後まで)
この期間で、予想問題の1周目を5〜6回分すべて終わらせるのが目標です。休日だけでは足りないため、平日のうち2日は通し演習に充てます。
第2期(14日間):90分通しで2周目、時間配分を固める
2周目からは必ず90分で時間を切ります。時間内に解き終わらなかった問題は、そこで手を止めて採点するのがルールです。実際の試験と同じ条件で点数を見ないと、本番での得点が読めないからです。
通し演習の翌日は、新しい問題を解かずに前日の解き直しだけに使います。「解く日」と「直す日」を交互にすると、14日間で約7回分の通し演習と、同じ回数の解き直しができる計算です。
第3期(13日間):本番の時刻で3周目と最終確認
最後の2週間は、本番と同じ13:30開始で解く日を週2回つくります。午後の眠気や集中力の切れ方は、実際の時刻で解いてみないとわかりません。
試験前日の11月14日(土)は新しい問題には手を出さず、解き直しノートと仕訳の見直しだけにとどめます。
大問別の目標点と、点数が伸びないときの切り分け方

簿記2級の統一試験は5つの大問で構成されています。合格点の70点を取るための配分の一例は次のとおりです。
| 大問 | 主な内容 | 配点 | 目標点 | 目安時間 |
|---|---|---|---|---|
| 第1問 | 商業簿記の仕訳5問 | 20点 | 16点 | 12分 |
| 第2問 | 連結会計・株主資本等変動計算書・個別論点 | 20点 | 10点 | 20分 |
| 第3問 | 財務諸表・本支店会計など | 20点 | 12点 | 25分 |
| 第4問 | 工業簿記の仕訳+個別原価計算・総合原価計算など | 28点 | 24点 | 18分 |
| 第5問 | 標準原価計算・直接原価計算・CVP分析 | 12点 | 10点 | 10分 |
合計すると目標点は72点、目安時間は85分で、見直しに5分を残せます。第4問・第5問の工業簿記40点のうち34点を取れるかどうかが、合否を分ける最大のポイントです。
60点前後で止まる人の3つのパターン
点数が伸びない原因は、たいてい次のどれかに当てはまります。予想問題1回ごとに、失点理由をこの3つに分類してみてください。
- 知識不足型:解説を読んでも理解できない → テキストの該当ページに戻る
- 時間切れ型:時間があれば解けた → 解く順番と、捨てる問題の判断を見直す
- ケアレスミス型:わかっていたのに間違えた → 電卓の打ち間違い・転記ミスを記録する
実際に予想問題を1回分解いてみると、独学の受験生に多いのは2番目の時間切れ型だとわかります。第3問の財務諸表に30分以上かけてしまい、得点源の工業簿記を解き切れない失敗は、予想問題の段階でなら何度でも修正できます。
解く順番は「第1問→第4問→第5問→第3問→第2問」
おすすめの解答順は、配点が大きく安定して得点できる工業簿記を先に終わらせる順番です。第2問の連結会計は難易度の振れ幅が大きいため最後に回し、時間が残った分だけ部分点を積み上げます。
解き直しノートの作り方と、本番形式リハーサルの手順
同じ問題集を3周する効果は、復習の質で大きく変わります。解き直しは、問題を最初から全部解き直す必要はありません。
解き直しノートに書く4項目
- 日付と回数:例「10/12 予想問題第3回 1周目 58点」
- 失点した大問と論点:例「第2問 連結 非支配株主持分の計算」
- 失点理由の分類:知識不足/時間切れ/ケアレスミス
- 次に解くときの一言メモ:例「のれん償却は支配獲得日から年数を数える」
このノートは1回分あたり3〜5行で十分です。第3期に入るころには、自分が繰り返し間違える論点が10個前後に絞られているはずです。試験前日に見直すのは、この10個だけで構いません。
本番形式リハーサルで確認する5つのこと
- 13:30に解き始め、15:00ちょうどに筆記用具を置く
- 問題用紙の余白に下書きを書く練習(統一試験は紙の試験です)
- 本番で使う電卓と同じものを使う
- 途中で時計を見るタイミングを決めておく(例:第1問終了時に12分経過)
- 終了後すぐに採点し、目標点との差を大問別に記録する
独学で全体の勉強の流れを組み直したい場合は、簿記2級の独学勉強法と逆算スケジュールも参考にしてください。
直前期の過去問演習に使う教材と道具
直前期に新しい教材を増やしすぎると、どれも中途半端になりがちです。予想問題集1冊と、手に馴染んだ電卓があれば足ります。
合格するための本試験問題集 日商簿記2級 2026年SS対策
TAC出版 合格するための本試験問題集 日商簿記2級は、本試験タイプ12回分を収録した問題集です。うち4回分が予想問題で、ネット試験の模擬試験プログラム10回分も付いた構成です。統一試験向けに紙で解きつつ、スキマ時間にパソコンで模擬試験を受ける使い方ができます。
スッキリうかる 日商簿記2級 本試験予想問題集
スッキリうかる 日商簿記2級 本試験予想問題集は、予想問題9回分を収録した問題集です。解説が丁寧なため、1周目で知識不足型の失点が多かった人に向いています。
簿記検定対応の電卓
12桁表示・早打ち対応・メモリー機能付きの簿記検定対応 電卓が基本です。直前期に電卓を買い替えると打ち間違いが増えるため、替えるなら第1期のうちに済ませておきましょう。
簿記2級の直前期の過去問演習でよくある質問
Q. 過去問は公式に公開されていますか?
日本商工会議所は統一試験の問題を一般公開していません。そのため直前期の演習は、出版社の予想問題集や、本試験の出題傾向を再現した問題集を使うのが一般的です。
Q. 1周目で50点しか取れませんでした。間に合いますか?
1周目の点数はあまり気にしなくて大丈夫です。重要なのは2周目で何点伸びるかです。第2期の終わり(11月1日)に65点に届いていれば、3周目で70点台に乗る可能性は十分あります。
Q. 第2問の連結会計がどうしても解けません。捨ててもいいですか?
完全に捨てるのはおすすめしません。連結会計でも、開始仕訳や当期の仕訳など前半の部分点は取りやすい傾向があります。解く順番を最後に回し、取れるところだけ拾う方針が現実的です。
Q. 予想問題集は2冊目も買うべきですか?
1冊目を3周して、毎回70点以上を安定して取れるようになってからで十分です。1周しかしていない状態で2冊目に移ると、弱点が残ったまま試験日を迎えるおそれがあります。
Q. ネット試験の模擬試験プログラムは統一試験の対策になりますか?
出題範囲は同じなので、論点の確認には役立ちます。ただし統一試験は紙の問題用紙に下書きしながら解く形式です。最低でも週1回は紙で通し演習をしておくと、本番での戸惑いが減ります。
Q. 試験当日の朝は何をすればいいですか?
解き直しノートと第1問の仕訳を軽く見直す程度にとどめましょう。試験開始は13:30なので、午前中に予想問題を1回分解くと、本番前に集中力を使い切ってしまうことがあります。
Q. 独学が不安です。給付金を使える講座はありますか?
簿記2級の通信講座には、厚生労働省の一般教育訓練給付金の対象になっているものがあります。雇用保険の加入期間などの条件を満たせば、指定講座の修了後に受講料の20%(上限10万円)が支給される制度です。講座を最後まで修了する必要があるため、今回の11月試験ではなく次回以降の受験に向けて検討するのが現実的です。
Q. 簿記2級を取ると年収は上がりますか?
資格だけで年収が決まるわけではありませんが、経理・財務の求人では簿記2級を応募条件や歓迎条件に挙げる企業が多く見られます。企業によっては資格手当の対象になることもあり、決算書を読むスキルは経理以外の営業職や管理職でも役立ちます。
残り40日、今日から予想問題1回分を解き始めよう
簿記2級の直前期は、新しい知識を増やす時期ではなく、同じ問題を3周して失点の原因を潰す時期です。まずは受験地の申込締切を確認し、今週末に予想問題を1回分、時間を計って解いてみてください。
その点数が、残り40日の演習計画のスタート地点になります。11月15日(日)の13:30に、落ち着いて第1問に向かえるよう、今日から1日1題ずつ積み上げていきましょう。








