10月18日の本試験を終えて、自己採点の点数を見ながら「今年は何点で受かるのか」「合格率はどのくらいになりそうか」と落ち着かない日を過ごしている方も多いはずです。宅建(宅地建物取引士試験)は毎年20万人以上が受ける国家資格で、合格点は過去10年だけでも33点から38点まで動いてきました。点数だけで合否を読み切れないところが、この試験の難しさでもあります。
不動産適正取引推進機構が公表してきた過去10年分の数字を一覧にし、合格率と合格点がどう動いてきたかを整理しました。
- 平成28年度〜令和7年度の受験者数・合格者数・合格率・合格点の一覧
- 合格率が15〜18%台に収まり続ける仕組みと、合格点が上下する理由
- 令和8年度(2026年度)の合格発表日・確認方法・合格後の手続き
- 惜しくも届かなかった場合の、2027年度に向けた再挑戦プランと教材の選び方
宅建の合格率と合格点の推移(過去10年の一覧)
まずは数字を並べて見てみます。次の表は一般受験者(50問)の結果で、登録講習修了者(5問免除者)を含む全体の合格率です。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格点 |
|---|---|---|---|---|
| 令和7年(2025) | 245,462人 | 45,821人 | 18.7% | 33点 |
| 令和6年(2024) | 241,436人 | 44,992人 | 18.6% | 37点 |
| 令和5年(2023) | 233,276人 | 40,025人 | 17.2% | 36点 |
| 令和4年(2022) | 226,048人 | 38,525人 | 17.0% | 36点 |
| 令和3年10月(2021) | 209,749人 | 37,579人 | 17.9% | 34点 |
| 令和2年10月(2020) | 168,989人 | 29,728人 | 17.6% | 38点 |
| 令和元年(2019) | 220,797人 | 37,481人 | 17.0% | 35点 |
| 平成30年(2018) | 213,993人 | 33,360人 | 15.6% | 37点 |
| 平成29年(2017) | 209,354人 | 32,644人 | 15.6% | 35点 |
| 平成28年(2016) | 198,463人 | 30,589人 | 15.4% | 35点 |
表を見ると、合格率は15.4%〜18.7%という狭い幅に収まっています。一方で合格点は33点〜38点と5点も開きがあります。令和6年度の37点から令和7年度の33点へ、1年で4点下がった例もありました。
受験者数は10年間で約4万7千人増え、令和7年度の245,462人は過去10年で最多です。受験者が増えても合格率がほぼ横ばいということは、合格者数もそれに比例して増えていることを示しています。
令和7年度の内訳で押さえておきたい数字
令和7年度は登録講習修了者の合格点が45問中28点で、5問免除者の合格率は24.2%でした。一般受験者よりも合格率が高く出るのは、不動産業に従事しながら講習で基礎を固めている人が多いためと考えられます。不動産会社に勤めている方なら、翌年度に向けて登録講習を受けておく選択肢もあります。
合格率がほぼ一定で合格点が動く理由
宅建は「何点取れば必ず合格」という絶対基準の試験ではありません。毎年の問題の難しさと受験者の出来を見て合格点が決まるため、結果として合格率が一定の範囲に落ち着く仕組みになっています。公式に「上位何%を合格」と定めているわけではないものの、10年間の数字はそう読めるほど安定しています。
合格点が下がる年・上がる年の傾向
- 下がる年:権利関係(民法など)で初見の判例問題が増えた年や、個数問題(正しいものはいくつあるか)が多かった年。令和7年度の33点はこのパターンと言われています
- 上がる年:宅建業法が素直な出題で、多くの受験者が18点以上を取れた年。令和2年10月試験の38点は、受験機会が10月と12月に分かれた年の結果で、過去10年の最高点です
実はこの「合格点は動くが合格率は動かない」という性質を知っているだけで、勉強の目標設定が変わります。どの年でも合格できる安全圏は38点前後で、多くの講座が「本試験で38点を取れる実力」をゴールに置いているのはこのためです。
科目別に見た「落とせない点数」
| 科目 | 出題数 | 合格者の目安点 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 宅建業法 | 20問 | 17〜19点 | 暗記で得点しやすく、ここで差がつく |
| 権利関係 | 14問 | 8〜10点 | 難問が混ざるため満点は狙わない |
| 法令上の制限 | 8問 | 5〜6点 | 数字の暗記で安定して取れる |
| 税・その他 | 8問 | 5〜6点 | 免除科目5問を含む |
この配分は各予備校が公表している合格者の平均的な得点傾向をもとにした目安です。宅建業法で取りこぼすと、他の科目で取り返すのはかなり厳しくなります。
令和8年度(2026年度)の合格発表日と確認方法

令和8年度の合格発表は2026年11月25日(水)9時30分の予定です。試験日の10月18日からおよそ5週間後に結果がわかります。
合否の確認方法は3つ
- 不動産適正取引推進機構のWebサイト:9時30分に合格者の受験番号と合格点が掲載される予定です。当日の朝はアクセスが集中しやすく、つながりにくい時間帯もあります
- 都道府県ごとの掲示:各試験地の協力機関で受験番号が掲示されます(掲示期間は2週間程度)
- 郵送の通知:合格者には合格証書、不合格者には成績通知が郵送で届きます。発表日の前後数日で届くのが一般的です
不合格の通知にも自分の得点が書かれているので、翌年の計画を立てる材料として使えるでしょう。捨てずに保管しておくのがおすすめです。
合格したら次にやること
合格しただけでは「宅建士」を名乗れません。都道府県知事への資格登録と宅建士証の交付を受けて、はじめて重要事項説明などの業務ができるようになります。実務経験が2年未満の方は、国土交通大臣の登録を受けた登録実務講習(費用は2万円前後)の修了が必要です。年明けは講習の申込が集中するため、12月中に日程を確保しておくとスムーズです。登録までの流れは宅建 登録実務講習2026の費用・日程と宅建士証交付までの流れで詳しくまとめています。
合格後の求人・転職と資格手当の相場
宅建士は不動産会社に「事務所ごとに従業者5人に1人以上」の設置義務があるため、求人の多い資格として知られています。資格手当は月1万〜3万円が目安で、年収ベースでは12万〜36万円の差になる計算です。転職サイトでも「宅建必須」「宅建歓迎」の求人は不動産業以外の金融・建設・管理会社にまで広がっており、重要事項説明という独占業務のスキルが評価されやすくなっています。
あと数点届かなかったときの再挑戦プラン

自己採点の手順は宅建 解答速報2026と自己採点のやり方にまとめています。自己採点で合格点予想に1〜3点足りなかった方は、ゼロからやり直す必要はありません。宅建は合格点の上下が大きい試験なので、「今年の自分の点数」が翌年も同じ評価になるとは限らないからです。
11月〜翌10月の12ヶ月スケジュール例
| 時期 | やること | 目安時間 |
|---|---|---|
| 11月〜12月 | 不合格科目の洗い出し・宅建業法の総復習 | 週5時間 |
| 1月〜3月 | 新年度版テキストで法改正部分を確認 | 週6時間 |
| 4月〜7月 | 過去問10年分を3周(正答率8割が目標) | 週8時間 |
| 8月〜9月 | 予想模試・統計問題・苦手論点の詰め | 週10時間 |
| 10月 | 本試験形式の演習と時間配分の最終確認 | 週10時間 |
実際に2回目の受験で失敗しやすいのは、「一度やった範囲だから」と過去問を流し読みしてしまうパターンです。ちなみに不合格者の多くは、知識は足りているのに選択肢の細かいひっかけで落としている、と予備校講師がよく指摘しています。肢ごとに「どこが誤りか」を言えるまで解き直すのが近道です。
独学か講座かの判断基準
- 独学で再挑戦が向く人:本試験で30点以上取れていて、宅建業法が16点以上だった方
- 講座を検討したい人:25点未満だった方、権利関係で5点以下だった方、仕事が忙しく学習の進捗管理が苦手な方
通信講座はおよそ2万円台から10万円台まで幅があり、教育訓練給付金の対象講座なら受講料の20%が戻る場合もあります。
2027年度の宅建士試験に向けた教材選び

新年度版のテキストは例年10月〜12月に出そろいます。法改正が反映された最新年度版を使うことが前提で、古い年度の本を使い回すのは避けたほうが安全です。ここでは再挑戦の方にも初めての方にも使いやすい定番の書籍を3つ挙げます。参考書全体の比較は宅建参考書おすすめ比較2026も参考になります。
みんなが欲しかった!宅建士の教科書 2027年度版
TAC出版のフルカラー教科書で、図解が多く初学者でも読み進めやすい構成です。宅建士の教科書として長く売れ続けているシリーズで、価格は3,000円台です。科目ごとに分冊できるため、通勤中に宅建業法だけ持ち歩く使い方もできます。
みんなが欲しかった!宅建士の問題集 本試験論点別 2027年度版
上の教科書と章立てがそろっている問題集で、テキストを読んだ直後に該当範囲の過去問を解けます。宅建士の問題集を別シリーズで買うと章の対応を探す手間がかかるため、同じシリーズでそろえるのが効率的です。価格は2,000円台で、収録数は約300問です。
出る順宅建士 ウォーク問過去問題集 2027年版
LECの過去問題集で、権利関係・宅建業法・法令上の制限と税その他の3分冊になっています。宅建士の過去問題集として収録数が多く、2周目以降の演習量を確保したい再挑戦組に向いています。1冊あたり2,000円前後です。
よくある質問
Q1. 宅建の合格率は今後上がりますか?
過去10年は15〜18%台で推移しており、急に大きく上がる可能性は高くないと考えられます。令和6年度と7年度は18%台が続いたため、令和8年度も17〜19%前後に収まるという見方が多いです。
Q2. 合格点は何点を目標にすればよいですか?
過去10年の最高が38点なので、本試験で38点を取れる実力があればどの年でも合格圏に入ります。模試では40点前後を目標にしておくと安心です。
Q3. 合格発表は何時から見られますか?
令和8年度は11月25日(水)の9時30分に不動産適正取引推進機構のWebサイトで公開予定です。混雑する場合は、昼以降にアクセスするとつながりやすくなります。
Q4. 宅建の合格に有効期限はありますか?
試験の合格そのものに有効期限はありません。何年後でも資格登録ができますが、宅建士証は交付から5年ごとに更新が必要です。
Q5. 不合格だった場合、翌年の受験料はいくらですか?
令和8年度の受験手数料は8,200円でした。翌年度も同程度と見込まれますが、申込時期(例年7月)に公式の案内を確認してください。
Q6. 5問免除はどうすれば受けられますか?
宅建業に従事している方が、国土交通大臣の登録を受けた登録講習を修了すると、修了日から3年以内の試験で問46〜50の5問が免除されます。
数字を味方にして次の一歩を決めよう
宅建の合格率は10年間ほぼ一定で、変わるのは合格点のほうです。自己採点が合格点予想の前後にある方は、11月25日の発表まで結果を待ちながら、合格なら登録実務講習の日程確保、届かなければ新年度版テキストの準備と、どちらに転んでも動けるように段取りをしておくと気持ちが楽になります。数字の傾向をつかんだうえで、自分に合った教材を1冊選ぶところから始めてみてください。