2026年度の宅建試験は10月18日に終わり、合格発表は11月25日(水)9時30分に控えています。不動産適正取引推進機構の速報値では申込者が30万7,254人、実際の受験者が24万6,422人(受験率80.2%)でした。ここから2027年の本番に向けて動き出す人が最初につまずきやすいのが「模試にお金をかけるべきか、無料PDFで足りるのか」という判断です。
結論から書くと、過去問と無料模試で「本番形式に慣れる」ところまでは0円で到達できます。一方で、全国順位や法改正を反映した予想問題が欲しい段階になると、有料の公開模試や市販の予想模試が効いてきます。ここでは、その境目を具体的な料金と時期で整理しました。
- 無料で手に入る宅建模試・予想問題のPDFとオンライン演習の入手先
- 有料の公開模試(TAC・日建学院・LEC)との料金と中身の違い
- 2027年受験から逆算した、模試を受ける時期と回数
- 模試の点数の目安と、点数を伸ばす復習のやり方
- 書店で買える直前予想模試の選び方
宅建の模試を無料PDFで代用できる範囲と限界
宅建試験は四肢択一50問・120分(5問免除者は45問・110分)の形式が毎年変わりません。そのため、「時間内に50問を解き切る練習」は無料の素材だけで十分に積めます。実際、試験を実施する不動産適正取引推進機構(RETIO)は、昭和63年度から令和7年度までの40回分の試験問題と正解番号表をPDFで無料公開中です。
ただし、無料PDFには弱点もあります。
- 解説がない:RETIOの公式PDFは問題と正解番号のみで、なぜその肢が誤りなのかは自分で調べる必要があります
- 法改正が反映されていない:公式PDFにも「法改正により現在の法律と一致しない場合がある」と注記されています。古い年度ほど注意が必要です
- 自分の立ち位置がわからない:受験者全体の中で何位なのか、どの分野が平均より弱いのかは、成績表つきの公開模試でないと見えません
つまり、無料PDFは「形式慣れ」と「基礎の総点検」、有料模試は「予想問題」と「順位の把握」と役割を分けて考えると、迷う場面はぐっと減るでしょう。
無料で手に入る宅建模試・予想問題の入手先一覧

2026年度に実際に提供されていた無料の模試・問題素材を、形式ごとにまとめました。2027年度も同時期に募集される可能性が高いため、日程はカレンダーに控えておくと取りこぼしを防げます(2027年度の日程は各団体の発表を確認してください)。
| 提供元 | 名称 | 形式 | 2026年度の時期 | 解説 |
|---|---|---|---|---|
| 不動産適正取引推進機構(RETIO) | 過去の試験問題・正解番号表 | PDF(40回分) | 通年公開 | なし(正解番号のみ) |
| 全国宅地建物取引業協会連合会 | ハトマーク宅建模試 | 自宅受験(問題ダウンロード) | 申込8月24日〜9月24日/DL 9月18日〜9月25日午前 | 解答・解説あり、一部は解説動画 |
| LEC東京リーガルマインド | 宅建士0円模試 | 50問マークシート形式 | 7月8日〜7月24日 | あり |
| クレアール | 総合模擬試験(無料体験) | PDFダウンロード+解説講義 | 随時(一部のみ) | 解説講義あり |
| 宅建オンライン | 無料模試・分野別20問 | Webで演習 | 通年 | あり |
ハトマーク宅建模試は「本番1か月前の無料チェック」に最適
業界団体が実施するハトマーク宅建模試は受験料0円で、申込後に届くIDと認証コードで専用サイトにログインして受験します。2026年度は解説動画を9月25日午後から10月17日まで視聴できる仕組みでした。申込締切がダウンロード開始の約1週間後に設定されていたため、8月中に申し込んでおくのが安全です。
LECの0円模試は7月の「現在地確認」向き
LECの0円模試は7月実施で、本試験と同じ50問構成です。7月時点では宅建業法と法令上の制限を一通り終えたばかりという人が多く、点数が低く出やすい時期でもあります。ここでの点数は合否予想ではなく、残り3か月で何を優先するかの材料として使うと効果的です。
RETIOの過去問PDFは「直近10年分」を本番形式で
40回分すべてを解く必要はありません。法改正の影響が小さく出題傾向も近い直近10年分程度を、120分の時間を計って本番どおりに解くのが現実的です。古い年度は分野別の問題集で補うほうが効率的と言われています。
有料の公開模試との違い(料金・成績表・会場)
有料の公開模試は1回あたり3,000〜5,500円前後です。2026年度の主な公開模試を比較すると、次のようになります。
| 主催 | 名称 | 2026年度の日程 | 料金(税込) | 受験方法 |
|---|---|---|---|---|
| TAC | 全国公開模試 | 会場9月30日〜10月4日/自宅9月18日〜 | 4,000円 | 全国の会場・自宅 |
| 日建学院 | 全国統一公開模擬試験 | 教室10月4日/自宅9月30日〜(解答入力は10月15日まで) | 5,500円 | 教室・自宅 |
| LEC | ファイナル模試 | 9月30日〜10月4日 | 有料(コースにより異なる) | 会場・自宅 |
TACの全国公開模試は申込者数が10年連続で1万人を超えていると発表済みです。これだけの母数があると、成績表に出る全国順位と分野別の正答率が本番の受験者層にかなり近くなります。「正答率70%以上の問題を落としている」と分かれば、そこが最優先で潰すべき穴です。無料PDFではこの情報が手に入りません。
もう1つの違いは会場の空気です。本番は周囲の筆記音やマークシートの塗り時間も含めた120分の勝負になります。自宅でしか解いたことがない人は、1回だけでも会場受験を経験しておくと当日の時間配分が崩れにくいでしょう。
2027年受験から逆算した模試の時期と回数

宅建試験は例年10月の第3日曜日に実施されており、この慣例どおりなら2027年度は10月17日(日)にあたります。正式な日程は例年6月上旬の官報公告で確定するため、そこで必ず確認してください。この前提で、模試の使い方を時期別に並べると次のとおりです。
| 時期 | 使う素材 | 目的 |
|---|---|---|
| 2026年11月〜2027年3月 | テキスト+分野別問題集 | インプット中心。模試はまだ不要 |
| 2027年4月〜6月 | RETIO過去問PDF(直近3年分) | 50問・120分の形式に慣れる |
| 2027年7月 | 無料模試(LEC 0円模試など) | 現在地の確認と弱点分野の洗い出し |
| 2027年8月 | 過去問PDF(直近10年分の残り)+市販予想模試 | 得点の安定化 |
| 2027年9月〜10月上旬 | 有料公開模試1〜2回+ハトマーク模試 | 順位の把握と本番リハーサル |
回数の目安は、無料・有料を合わせて本番形式で5〜8回です。10回を超えると、解き直しの時間が削られて逆効果になりやすいと言われています。模試は「受けた回数」ではなく「復習した回数」で効いてくる点を意識しておくと、計画が立てやすくなります。
働きながら受験する場合、50問を通しで解く120分と、その後の復習2〜3時間を1日で確保するのは簡単ではありません。土曜の午前に模試、日曜に復習というように週末2日でワンセットにするのが続けやすい組み方です。
模試の点数の目安と点数を伸ばす復習のやり方

合格点は年度によって変動し、2016年度から2025年度までの10年間では33〜38点の範囲で推移してきました。2026年度は住宅新報の報道で合格ラインが33点前後と予想されています。模試は本試験より難しめに作られることが多いため、目安は次のように考えると現実的です。
- 7月の無料模試:25点前後でも心配しすぎなくて大丈夫です。業法と法令上の制限の取りこぼしを確認します
- 8月の過去問PDF:35点以上を安定して取れるかが1つの目安です
- 9月の公開模試:32〜34点を取れていれば、本番で合格ラインに届く可能性が高い水準と言われています
復習は「3色仕分け」で時間を短くする
50問すべてを同じ熱量で見直すと、それだけで半日が消えます。そこで、解いた問題を次の3つに分けると効率が上がります。
- 青(自信を持って正解):見直し不要
- 黄(迷ったが正解、または惜しい不正解):最優先で復習。ここが本番の当落線上にある問題です
- 赤(まったく分からなかった):正答率が低い問題なら捨てる判断もあり。正答率が高いのに赤なら、テキストに戻ります
黄色の問題は、4つの肢それぞれについて「どこが誤りか」を一言で書き出しておくと、翌週の模試で同じ論点が出たときに迷わなくなります。
無料PDFを解くときの3つの工夫
- マークシートを印刷して、塗る時間まで含めて120分で計る
- 法改正があった論点(相続登記の義務化、区分所有法の改正など)は最新のテキストで答えを確認する
- 解き終えたら分野別(権利関係・宅建業法・法令上の制限・税その他)に得点を集計し、表にして推移を追う
書店で買える直前予想模試の選び方
有料公開模試の会場に行けない人や、問題数をもう少し増やしたい人には、大手予備校が出している市販の予想模試が選択肢になります。1冊に3〜4回分の予想問題が入って2,000円前後のものが多く、1回あたりの単価は公開模試の約3分の1です。2027年版は例年6〜7月頃に出版されます。
テキストと同じシリーズの予想模試を選ぶメリット
フルカラーの教科書シリーズと同じ編集方針で作られており、解説が読みやすいのが特徴です。TAC出版の直前予想問題集は、同シリーズのテキストで学んできた人なら参照ページをたどりやすく、復習の手間が少なく済みます。
LEC 出る順宅建士 当たる!直前予想模試
出る順宅建士 当たる!直前予想模試は、予備校の公開模試に近い難易度で作られている点が評価の高い理由です。本番より少し難しい問題で負荷をかけたい人に向いています。
2026年版 出る順宅建士 当たる!直前予想模試 (出る順宅建士シリーズ) [ 東京リーガルマインド LEC総合研究所 宅建士試験部 ]
1,760円 (税込)
日建学院 これで合格!宅建士直前予想模試
これで合格!宅建士直前予想模試は、読者向けのWeb特典が用意されていたシリーズです。紙の問題に加えてWebでの採点や解説を使いたい人は、購入前に特典の内容を確認すると選びやすくなります。
3冊すべてを買う必要はありません。普段使っているテキストと同じ出版社の1冊を選ぶと、解説の用語や図の書き方がそろっていて復習が速くなります。
これで合格!宅建士直前予想模試 2026年度版【宅地建物取引士試験 予想問題集 法改正対応 問題取外し式】 (日建学院の宅建士シリーズ)
2,550円 (税込)
宅建の模試・無料PDFに関するよくある質問
Q. 無料の過去問PDFだけで宅建に合格できますか?
A. 過去問だけで合格する人もいますが、毎年数問は過去に例のない論点が出題されます。過去問で8割以上を安定して取れるようになったら、予想模試を1〜2回加えて初見の問題に慣れておくと安心です。
Q. RETIOの過去問PDFには解説がありませんが、どう復習すればよいですか?
A. 正解番号を確認したあと、手持ちのテキストの該当ページに戻って理由を確認します。解説が必要な場合は、無料の過去問解説サイトやアプリを併用する方法もあります。法改正のあった論点だけは、必ず最新年度版のテキストで答えを確かめてください。
Q. 模試で合格点に届かなかったら、受験を見送るべきですか?
A. 9月の公開模試で合格点に3〜5点届かない程度なら、本番までの追い込みで逆転する人は珍しくありません。黄色(迷った問題)の復習を優先し、宅建業法で18点以上を目指すのが近道と言われています。
Q. 5問免除の対象者は、模試をどう受ければよいですか?
A. 登録講習修了者は本番が45問・110分になるため、模試でも問46〜50を除いて110分で計るのが基本です。公開模試の成績表は免除者向けに別集計されることもあるので、申込時に区分を選べるか確認してください。
Q. 模試は会場受験と自宅受験のどちらがおすすめですか?
A. 少なくとも1回は会場受験を経験しておくと、本番の緊張感や時間配分を体感できます。2回目以降は移動時間がかからない自宅受験にして、その分を復習に回すのが効率的です。
Q. 2027年度の無料模試の日程はいつ発表されますか?
A. 2026年度の例では、LECの0円模試が7月、ハトマーク宅建模試の申込受付が8月下旬から始まっていました。2027年度も初夏から夏にかけて案内が出ると考えられるため、6月頃から各公式サイトをチェックしておくと見逃しにくくなります。
2027年の宅建本番で合格点を超えるための次の一手
今の時期に模試を探している人は、すでに一歩早くスタートを切れています。まずはRETIOの公式サイトで直近3年分の過去問PDFを保存し、テキストを一周したら時間を計って解いてみてください。そこで分かった弱点を夏までに埋め、7月の無料模試で現在地を確認し、9月の公開模試で本番のリハーサルをします。この流れを決めておくだけで、2027年10月までの学習計画がぐっと具体的になります。
独学で模試の点数が伸び悩む場合は、通信講座に切り替えるのも1つの選択肢です。宅建の通信講座には厚生労働省の教育訓練給付金(一般教育訓練は受講費用の20%・上限10万円)の対象講座があり、条件を満たせば受講料の一部が戻ってきます。合格後は不動産会社の求人で月1万〜3万円程度の資格手当が提示される例も多く、転職や年収アップの材料として使えるスキルです。
11月25日の2026年度合格発表で最新の合格点が出たら、その数字を目標点として手帳の最初のページに書き込んでおくのもおすすめです。